沢尻“別に発言”で大騒動 竹内結子さんが「クローズド・ノート」に端役で出演した訳
社運を賭けた作品
沢尻は、05年の映画「パッチギ!」(井筒和幸監督)で演じた在日コリアンの少女役で注目を浴び、日本アカデミー賞はじめ数多くの新人賞を受賞した。同年には初主演ドラマ「1リットルの涙」(フジテレビ)でもゴールデン・アロー賞新人賞などを受賞。
翌06年には、主演を含む5本の映画が公開された。同時に主演ドラマ「タイヨウのうた」では歌手デビュー(Kaoru Amane名義)も果たして、オリコンチャートで2週にわたって1位を獲得するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いだった。その翌年に公開されたのが「クローズド・ノート」というわけである。
「沢尻が演じたのは、小学校の教員志望の大学生。彼女が引っ越した新居には、前の住人が忘れていったノートがあった。それは新任の女性教師の日記で、生徒との交流などが綴られていたのですが、その教師こそが竹内さんでした。もちろん、本筋に絡んでくるわけですが、現在進行形のストーリーは沢尻が中心です。なぜ、竹内さんがこんなチョイ役で出たかといえば、沢尻と同じスターダストプロモーションの所属だったからです」(同)
後輩・沢尻の主演作のために竹内さんが一肌脱いだということか。
「事務所愛の強かった竹内さんは、二つ返事で出演を引き受けたそうです。事務所も大変な力の入れようでした。当時のスターダストは中谷美紀、常盤貴子、竹内さん、柴咲コウと主演を張れる女優が次々と育っており、沢尻にもその路線を引き継がそうとしていました。『クローズド・ノート』の製作委員会には東宝や博報堂DYメディアパートナーズ、ソニー・ミュージックエンタテインメントなどと並んでS・D・Pという会社があります。正式名はスターダストピクチャーズで、いうまでもなくスターダストの子会社です。所属タレントの映画や映像作品などを中心に受け持ち、05年に設立されました。竹内さんと中村獅童が主演した『いま、会いにゆきます』(土井裕泰監督)や、大沢たかおと柴咲さん主演の『世界の中心で、愛をさけぶ』(行定勲監督)の製作にも加わっていました。特に“セカチュー”は興収85億円、観客動員数620万人を記録して、04年の実写映画No.1にもなりました。もちろん沢尻が売れた『パッチギ!』もS・D・Pの出資です。その勢いに乗って制作された『クローズド・ノート』でした。主題歌もスターダスト所属のYUIでしたし、スターダストとしては社運を賭けた一大プロジェクトだったのです」(同)
だが、07年9月29日の公開初日、沢尻の例の舞台挨拶で、その目論見は崩れ去った。
「舞台挨拶の司会は、元フジテレビアナでスターダスト所属となった富永美樹アナでした。彼女が何を尋ねても、ふてくされた沢尻は“別に”の一点張り。態度が悪いとバッシングされ、映画もヒットしなかった。その前日、中山秀征さんがMCの情報番組『ラジかるッ』(日本テレビ)に映画宣伝のためゲスト出演した際も、どんな話を振っても“ないです”の一点張り。あの中山さんが凍り付いていました。スターダストの担当者も激怒してました。せっかく竹内さんも協力してくれたのに何てことをしてくれたんだと、関係者は呆れてましたね」(同)
芸能界を引退した沢尻は今ごろ何を思う。
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