「三原じゅん子」の男遍歴 恋人を秘書に、“身内”の生活保護に疑念も

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「前夜に何かあった」

 この年、改選を迎えた三原氏は全国比例から神奈川選挙区へと移ることになる。手引きをしたのは、横浜を地盤とする、当時官房長官の菅氏だった。

 神奈川県連の関係者が回想する。

「新人議員の時は石破茂さんが面倒を見ていて、12年の総裁選では石破さんの推薦人にもなっていたんです。ですが、機を見るに敏な彼女はその後、菅さんに接近。比例から神奈川に転出する時には、菅さんの側近でもある県連会長、小此木八郎さんが根回しをして、随分と汗をかいていました。選挙戦が始まると若い男が彼女のそばにぴたっと寄り添っていまして……」

 その男とは中根雄也氏。三原氏の24歳下で15年の藤沢市議選で落選後、三原氏のスタッフとして働くようになっていた。

「選挙戦の真っ最中、ある日突然、二人が密着しだすんですよ。ボディタッチは多くなるし、食事の時は横に寄り添って“アーン”をやりかねないくらいの距離感で。これは絶対、前夜に何かあったでしょ、と県連内で噂になったのです」(同)

 地盤が欲しくて選挙区を変えると同時に男まで乗り換えてしまったことに周囲は呆れるばかり。

 関係者が続ける。

「交際を始めると今度は中根さんを公設秘書にしたのです。以前と全く同じパターンで、そのことがまたもメディアに露見すると私設秘書にしていました」

 17年には中根氏と結婚し、横浜のホテルで披露宴が開かれたのだが、

「前年には政治資金パーティーも開いているし、“結婚にかこつけてまた金をとるのか”と多くの県連幹部が欠席しました」(同)

 仲人を務めた元参院議員の斎藤文夫氏は、

「今でも年に2、3回は虎屋の羊羹とかを持って夫婦で挨拶に来ますよ。仲人を頼まれた時、中根さんは“今後は彼女を支えていきます”と言っていたね。そういう一生懸命な姿が魅力的なのだろう、三原さんがゾッコンなんだよね」

 3度目の花嫁姿となった彼女は私生活のみならず、“公”でも転機を迎えた。

「彼女は3年前に随分と自信をつけたんですよ」

 とは厚労族議員。

「受動喫煙法案が議題になっていた17年の党厚労部会で大西英男議員が“(がん患者は)働かなくていい”と失言をした一件がありました。それに三原さんが噛みつき、ブログで猛烈に批判。世間から大西さんがバッシングされ、釈明に追われました。その時、三原さんは敵を作れば話題になると気づいた。その後はまるでジャンヌ・ダルクのようになっていきましたね」

 例えば、ライフワークにしている子宮頸がん問題でも、ワクチンの積極接種に及び腰な厚労省を批判するようになる。昨年の通常国会で野党から総理への問責決議案が提出されると、反対討論に立った三原氏が、

〈恥を知りなさい!〉

 と、さすが元女優の演技力で野党を恫喝したことが世間の度肝を抜いた。貫禄である。さらに、

「小泉進次郎さんが厚労部会長だった時には、三原さんが進次郎さんに“病を抱えた女性を見据えた政策を”と話したのですが、当時の進次郎さんは妊婦の自己負担が増える妊婦加算問題で多忙を極め、取り合おうとしなかった。すると三原さんが激怒。菅さんが仲介に入るまでの騒ぎになったとか」(同)

 永田町で学んだ「ケンカ作法」は快感となり、次なる相手は厚労省、というわけだ。一方、敵は作っても時の権力者に忠誠を誓うのが彼女の真骨頂。

 先のデスクが解説する。

「昨年の参院選では党の女性局長として全国の候補者の応援に入りました。その中で突出していたのが、あの河井案里。17日間の選挙期間中に重要な最終日も含め、なんと4回も広島入りしています。落選した山形の大沼みずほさんには1回しか行っていませんから、異様な関係性が際立っている。しかも、党の事務方ではなく三原さん自身で予定を調整する力の入れよう。河井推(お)しだった菅さんに頼まれたのでしょうが、それにしても多すぎます」

 三原氏は今回の総裁選でも菅選対の役員に名を連ね、選挙に奔走していた。そうした論功行賞が今回の副大臣就任だったのだ。

必要な少子化対策とは

 しかし、今後の道のりは平坦ではない。その理由は他ならぬ「不妊治療の保険適用」だと先の族議員。

「日本医師会が反対しているのです。財源が限られる中で不妊治療が保険適用となれば他の科の診療報酬が引き下げられるなどの弊害も出てきますし、出産に保険を適用しないのか、という議論にもなります。三原さんは医師会とのパイプがないし、菅さんも事前に厚労省に相談しておらず、混乱している。厚労省は大慌てで不妊治療の実態調査へ準備を進めていますよ」

 数回の体外受精で300万円近くの費用がかかる事例もあり、確かに不妊治療は経済的余裕がなければ続けられない。政治家として妊娠を切に願う男女に救いの手を差しのべ、少子化打破につなげたいとする三原氏の思いは純粋で理解できなくもない。

 産婦人科医の宋美玄氏はこう指摘する。

「体外受精になると一度に30万円、40万円と費用がかかり、あきらめるカップルも多くなります。しかし、不妊治療のどこまでを公的資金で賄(まかな)うかは難しい問題です。高齢で妊娠したい場合、その可能性は高いとはいえない。保険適用しても費用対効果が低くては国民の理解は得られません。年齢に関係なく一律で適用していいのか、治療技術もクリニックによってばらつきがあり、制度設計は一筋縄にいかないでしょう」

 少子化対策の目玉としても疑問を感じているという。

「少子化の主な理由は不妊治療が広まっていないからではありません。人口の多い団塊ジュニア世代の雇用の非正規化が進み、未婚化・晩婚化が顕著になったことが大きな理由。不妊治療の負担軽減を進めるのは良いことだと思いますが、その結果、子育て支援策と若者の雇用の安定化が疎かにならないか心配です」(同)

 出産して大学までの教育費は1人当たり1千万円とも2千万円とも言われる。それゆえ、第2子、第3子を生んだ多子世帯への思い切った経済支援こそ必要という意見もある。

 いずれにせよ、自身が振付役となった政権の目玉政策実現に向けて、数々の困難が待ち受けているのだ。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏は手厳しい。

「三原さんは国会で“恥を知りなさい”と啖呵を切ったという印象しかありません。そう言っておきながら、自身が交際していた男性や夫を公設、私設秘書にしていますし、政治家として評するレベルにないのでは」

 そうした評価を「突っぱね」られるか。厚労省の「顔」役に世論からの強烈なカウンターパンチがないことを願うばかりである。

週刊新潮 2020年10月8日号掲載

特集「『厚労省』大混乱! 『医師会』反発!! 『菅首相』不妊治療支援の振付師は『三原じゅん子』」より

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