歌手デビュー「花田優一」が語る胸中 「全てが中途半端と言われて…」

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 イタリア仕込みの靴職人、画家にしてデザイナー。いくつもの“肩書き”を持つ花田優一が、新たに挑んだのはエンタメの世界。25歳を迎えた誕生日の9月27日、デジタルシングル曲「純青(じゅんせい)」を発売して歌手デビューしたご本人に話を聞いた。

「昨年末、音楽関係の友人たちと飲んでいた時に“そういえば、優一の声ってメチャクチャ良いよね”と言われたのがきっかけでした。以前にカラオケで歌っていた時のことを覚えていたらしく、“天性のものがあるよ”なんて言われてその気になって……」

 記念すべきデビュー曲の歌詞は自ら手がけたほか、タイトルの「純青」も自身で思いついた造語という。

「歌詞は10代で海外留学していた時に書き溜めていたメモがベース。『純青』の青は、未熟で青臭かった当時の自分自身の心境と、海外でホームシックになった時に見上げた空の色。純粋な青という意味で、単に“綺麗なもの”ではなく、“剥き出しの自分、ありのままの花田優一”を表現したいと思ってつけました」

 ジャケットや衣装、PVの制作にまで参加したそう。

「工房での作業はいつも孤独でしたが、音楽制作は、仲間たちとあれこれ意見を出し合って進めていける。初めての経験でしたが、楽しかったですね」

 すでに13曲のレコーディングを終えており、うち7曲は12月発売のアルバムに収録されるという。

「『純青』はピアノの伴奏に合わせて歌ったシンプルな作品ですが、アルバムにはR&Bやボサノバ調のお洒落な曲も入ります」

 初の取り組みの手応えは、

「音楽活動はダウンロード数やCDの売り上げ枚数が順位で示される厳しい世界。やるからにはオリコンランキングの上位に食い込みたいですし、年末にはNHKの紅白にも出てみたい」

表現するのが好き

 かく言う一方、これまで入籍からわずか1年での離婚や靴の納期を巡るトラブルが報じられるなど、何度も世間を騒がしてもきた。

「“すべてが中途半端”と叩かれまして……。父は相撲という一つの道を究めた人ですが、僕は父とは違って他の選択肢を排除して一つのことに集中するタイプではありません。興味を持つことにはできるだけチャレンジして、常に刺激を受けていたい。靴を作ること、絵を描くこと、デザインすること、歌うこと、すべては表現することが好きだからやっているんです」

 もっとも、本職の靴作りは続いているそうで、

「いまも30足から40足の注文を抱えています。1カ月に1足のペースで仕上げており、毎日コツコツと作業を進めていますよ」

 思い起こせば、靴職人としての最初の注文主は実父の元貴乃花親方だった。

「父とはお互いの近況を、テレビを通じて知るという感じです。歌手デビューについては父にも母にも相談や報告はしていません。僕ももう、大人ですから」

 そこで“オトナ”になった彼に異性関係を尋ねると、

「そういうことは、マスコミの人には話さないことにしているんです……」

 過去にテレビ番組で共演した経験を持つ、放送作家の山田美保子氏は言う。

「曲を聴いたら、なかなかお上手なので驚きました。お父様は現役時代、自身の後援会で美声を披露していましたし、女子アナ時代に“チーママ景子”と呼ばれたお母様は、接待などの宴席に駆り出されると、お相手の男性の世代に合わせて曲を歌い分けるというスキルをお持ちでした。そんなご両親のDNAが見事、花開くかもしれませんね」

 売れるとイイね。

週刊新潮 2020年10月8日号掲載

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