竹内結子さんの本当の魅力 コラムニストがもう一度みたい出演作品から探る
9月27日未明、女優の竹内結子さんが亡くなった。遺書は見つかっていないが、自殺と見られている。享年40……まだこれからの人だったのに、と思うファンは少なくないだろう。彼女が出演したドラマや映画などから、特に印象に残る作品をコラムニストの林操氏に聞いた。
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俳優・竹内結子の代表作って何になるんだろう──今、考え込んでしまっています。大ヒットした作品ということなら、シリーズ化・映画化もされた「ストロベリーナイト」(フジテレビ)や、これもシリーズになった映画版「チーム・バチスタの栄光」を挙げる人もいるでしょう。
「不機嫌なジーン」や「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」(いずれもフジ)、「ダンダリン 労働基準監督官」(日本テレビ)など、主演を務めたTVドラマでも、彼女は研究者や医師、刑事、労働基準監察官その他いろいろ、ハードな職業をバリバリこなすスマートでクールな女を何度も演じてきました。
しかし、そういう竹内結子を、特に今、ワタシは観たいと思いません。何か無理をしている彼女を見せられている、そういう印象をあらためて感じてしまうからです。
NHKの朝ドラ「あすか」(1999年)のヒロインとして顔が売れ始めるころから竹内と仕事をしていた知り合いがいて、その話によれば、素の彼女はスマートさともクールさとも縁遠く、かつ芸能人っぽさ、女優っぽさ、スターっぽさも極薄の、埼玉南部の公立校出身の、素直で角の立ったところのない女の子、女の人でした。
そして、そういうスマートでもクールでもない竹内結子(芸名ではないそうです)の姿に、声に触れることのできる作品にも、彼女は少なからず出演しています。早すぎ、突然すぎる訃報に触れた今、あらためて観直し、聞き直したいと願うのも、そういった作品です。
朝ドラヒロイン前年の地味役
TVドラマでまず思い浮かんだのは2本でした。まずは「なにさまっ!」(TBS)。98年に日曜劇場で放送されました。竹内が朝ドラ「あすか」に出る前年なので、もちろん主演ではありません。岸谷五朗と松雪泰子のW主演で、食品会社の落ちこぼれ社員(岸谷)が、外食産業への参入のために迎えられたヤリ手のフードプロデューサー(松雪)のアシスタントとなったために繰り広げられるドタバタ劇。その岸谷に惚れ込む篠原涼子の親友が竹内の役どころでした。
この作品で注目されていたのは、プロ野球を引退してドラマデビューとなる長嶋一茂(岸谷の同僚役)で、竹内は出番もそれほど多くありませんでしたが、男に積極的な篠原と対照的な、気弱で地味な女の子を演じていました。メガネをかけていましたが、それでも綺麗さはよくわかった。売れても歌は唄わなそうな、ギラつきのない、いい感じの役者が出てきたなという印象がありました。
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