コロナ特需にも乗れない「韓国」の苦悩 日本と中国の挟み撃ちのオートバイ市場

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耐久性に優れる日本勢が韓国オートバイを圧倒し、市場の7~8割を占めて

 7月単月の輸入額で比較をした場合、今年の7月は5,374,000ドルで、昨年7月(日本製品の不買運動が始まる前)対比で3.2倍の増加率を記録した。
 
 一方で韓国オートバイは特需の雰囲気に乗り切れていない印象である。

 それどころか、去る9月11日には韓国最大手のオートバイ・メーカー、大林(デリム)オートバイが流通・サービス企業であるAJグループに買収され大きなニュースとなった。

 韓国には先ほど述べた大林(デリム)オートバイと、KRモータース(旧ヒョースン(暁星)機械工業)という大手オートバイ・メーカーがあり、かつてはこの2社で市場を独占していた。

 しかし、最近の韓国オートバイ市場においては耐久性に優れる日本勢が韓国オートバイを圧倒し、市場の7~8割を占めているとの見方もある。

 もっとも、これはある意味昔に戻っただけといえるかもしれない。なぜなら、デリムもヒョースンもかつては日本企業(ホンダ、スズキ)と技術提携をしていたのだから。

 韓国オートバイの代名詞ともいえるのが、デリムオートバイである。

 前身は起亜自動車のオートバイ部門で、1962年からホンダと技術提携をしてオートバイの生産を開始、やがて分社化され起亜技研となった。

 起亜技研はさらに1982年、韓国政府の自動車工業統合処置により大林(デリム)グループの大林自動車と合併し今日に至る。

 製品としては韓国内のオートバイ規格の問題から、50cc~250ccまでのラインナップしかなかったが、デリムホンダの名称で多くのホンダオートバイを韓国市場に供給していた。

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