体操「チャスラフスカ」を覚醒させた贈り物は日本刀? 日本を愛し愛された人生とは(小林信也)
1964年の東京五輪で、多くの日本人を魅了した象徴的な外国人選手が「体操の女王」「名花」と謳われたベラ・チャスラフスカ(旧チェコスロバキア)だ。
個人総合、種目別の平均台と跳馬、計3個の金メダルを獲得したベラはその美貌と眩(まばゆ)さで日本人の心を惹きつけた。女性美あふれる肢体を赤いレオタードに包み、金髪で優雅に躍動する。56年前の日本人にとっては桁外れに刺激的で、常識を凌駕する光景だった。しかし健康的。ベラはスポーツを通して日本の社会通念を打破した女性だ。...