コロナ禍に「ノブコブ徳井」の仕事が増えた理由 「客ウケしない」笑いが武器に
お笑い分析ならいくらでも
バラエティ番組オタク、腐り芸人、ほとばしる芸人愛……。お笑いコンビ・平成ノブシコブシの「じゃない方」徳井健太がいま、「分析キャラ」として注目を集めている。
ソーシャルディスタンスを維持するためバラエティ番組の出演者が制限され、仕事が激減した芸人が多いなか、「コロナの影響でテレビ出演が増えている」という徳井。その理由はごくシンプル、「収録にお客さんが入らなくなったから」だという。
そんなブレイク前夜の徳井に、「ダウンタウンにはなれない」と絶望した芸歴0年目から、相方・吉村崇が「芸人のなかで徳井の生き方一番羨ましい」とまで言った現在まで、自らを「分析」してもらった。
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――「ゴッドタン」の腐り芸人、「アメトーーク!」の「バラエティ観るの大好き芸人」など、お笑い番組や芸人さんについての「分析」を熱く語る徳井さんに最近注目が集まっています。
徳井健太(以下、徳井) 僕はテレビを、特にお笑いを見るのが趣味で1週間に50番組以上見ているのですが、お酒を飲んだとき仲間内で見たバラエティや芸人のことを話すのが昔から好きでした。
仕事でも吉本興業の音声コンテンツ「酒と話と徳井と芸人」、YouTube「徳井の考察」をやっていて、公私ともにかなりの頻度で芸人やお笑いの話をしています。尊敬している先輩、もっと売れて欲しい若手、面白い番組のことなどを褒める、肯定的なお笑い分析ならいくらでもできるので、それが最近になってテレビの仕事につながり、面白がってくれる方が増えたことは単純に嬉しいです。
「テレビ向き」ができない
――今年で芸歴20年になられましたが、いまこのタイミングでその「分析キャラ」が重宝されるようになったのはなぜでしょうか?
(徳井) 「テレビ向きなコメント」、つまりは「オンエアされやすいコメント」を言うのが昔からずっと苦手でした。苦手というか、できない。
例えば、ハワイの綺麗な海で泳ぎ美味しい料理を食べたいとも思わないし、高級時計が欲しいとも思わない。そういうVTRが流れたとき、若手のときは一生懸命コメントしましたが、やっぱり、本心からの発言でないので現場は全然盛り上がりませんでした。
しばらくやり続けてもできなかったのと、相方の吉村がそういうコメントが得意なので対比で面白いかなと、試しに「ハワイとか好きじゃないです」って正直に発言したら、共演者もお客さんもシーンとして最悪の空気になったことも……(笑)。良くも悪くも“ノリ”で話せないんです。
でも、3年前くらいの「ゴッドタン」で「腐り芸人」という企画があって、今のバラエティや芸人に対して日頃考えている本音をストレートに語ったら、結構ウケたんです。
「売れたい」とか「笑いで天下を取りたい」という気持ちが僕にはなくて、他の芸人に嫉妬することも一切ないので、フラットかつ客観的な視点で「分析」できたことが、視聴者に受け入れられたんじゃないかと僕なりに解釈しています。
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