ノブコブ徳井が恩人・東野幸治を「腐り狂った超天才」と評する理由とは

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「ダウンタウンとの共演は断っていた」

 収録はあっという間に終わった。

 残念ながら記憶はあやふやだが、不躾にもダウンタウンさんや『ごっつええ感じ』のことも聞いてみた。東野さんは自身とたった3、4歳くらいしか変わらないダウンタウンさんのことを、とにかく崇拝し畏れていた。それは僕らがダウンタウンさんに抱いている感情よりも、断然強烈だった。

 ダウンタウンはいないものとしている。

 そう、東野さんはその収録で語っていた。

 二人があまりにも面白すぎるが故、1997年に『ごっつ』が終わり独り立ちした頃にはダウンタウンさんとの共演を断っていたらしい。

 嫌いとかではない。『ごっつ』と共に、東野さんの中でダウンタウンはいなくなったらしい。いない人とは共演できない。そういう物理的な理由での共演NG。一種のパラレルワールドのように、ダウンタウンがいるということは知っているが、自分の生きている世界の軸とは交わらないように芸能生活を続けていくと決めたのだ。

 圧倒的な面白さに対して、戦って勝ちたいと思うこと自体がそもそもおこがましい。最初から負けることが決まっている戦いはしない―それが東野さんの考えた「ダウンタウンはいない」という攻略法だ。

 あんなに面白いと思っていた東野さんからそんな言葉が出るなんて、僕は心底驚いた。と同時に、あれ? 『ワイドナショー』は? という疑問が浮かぶ。

「あの番組は、コメンテーターとしての松本人志だからええねん」と言っていた。どうやら芸人のダウンタウンさんでなければ東野さんの世界にも存在するらしい。自分が芸人として芸能界で生きていく為に編み出した、滅多にない考え方だと思った。

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