文在寅の北朝鮮への片思い 「東京オリパラ」に南北統一チームをゴリ押し
2018年の平昌では代表監督が反対を表明
それにもかかわらず、韓国政府は東京オリパラで北朝鮮の選手たちと統一チームを編成し、さらに4種目で北朝鮮選手を派遣する計画を立てていた。
9月1日、親文在寅派の「共に民主党」所属国会議員だった李仁栄(イ・インヨン)統一部長官は冨田浩司駐韓日本大使との面談で、「東京オリパラと北京冬季オリパラを機に、韓半島の平和など日中韓が北東アジアの平和と世界平和に寄与しよう」と話し、韓国の南北統一チーム派遣に日本が賛成することを期待した。
しかし冨田大使は、「北朝鮮の拉致、核、ミサイルなど諸問題を包括的に解決しなければならない」と述べ、すべては北朝鮮が態度を変化させるかどうかにかかっていることを示唆した。
2018年の平昌冬季オリパラ開催時、文在寅政府が女子アイスホッケー種目に南北統一チームの編成を強行し、多方面から反対の声が上がった。
オリパラ出場チケットを獲得するため努力を続けた韓国人選手が、政府の統一チーム計画のためにレギュラーとして出場できなくなり、一度も練習を共にしたことがない北朝鮮選手が出場することになったのだ。
特に当時、韓国女子アイスホッケー代表チームの監督だったカナダ国籍のサラ・マレー氏は、南北統一チームの推進を「衝撃的」だと述べ、積極的に反対した。
基本的に南北統一チームの参加は不可能
しかし当時の青瓦台(大統領府)関係者は「南北統一チームでなかったら、誰も女子アイスホッケーチームに注目しなかったはず」といい、またメダルを獲得する可能性は高くなく、人気もないからどうでも良いという意味の発言をして議論の的になった。
南北統一チームで構成された女子アイスホッケーチームは5回の試合で2ゴールを記録しただけで、5戦全敗。
いま考えると、政府の平和政策のスケープゴートにされたにすぎない。
現在、韓国女子バスケットボールは東京オリパラ出場が確定しているが、すべての予選試合に韓国選手のみが参加し、IOCが提示した条件を満たしていないため、南北統一チームの参加は不可能だ。
それにもかかわらず、韓国政府は今回明らかになった2021年東京オリパラの予算資料で、依然として女子バスケットボールを統一チーム編成に含めていることが分かった。
ミサイルを発射し、自国民を銃殺する国家と統一チームを編成してオリパラに出てこそ平和が訪れると嘯く文大統領の発想力には驚くほかはない。
いまや韓国の政界でも、東京オリパラの南北統一チーム推進に反対する声が高まっている。
保守野党・国民の力所属の金承洙国会議員は、保守系メディアの朝鮮日報のインタビューで「文在寅政府は東京オリパラで韓国女子バスケットボール選手たちの機会まで剥奪しようとしている」「統一チームを編成するどころか、韓国の公務員が北朝鮮によって銃殺・焼却された残酷な行いで遺体すら発見できない」と文大統領を非難した。
真っ当な指摘だと言う他ない。
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