今度は歌手デビューの花田優一 激化するイケメン2世市場で本当に獲得すべき立ち位置
美人と2世は似ている。一般人が見ることさえできない世界に、苦労せずアクセスできるという点だ。下積みとか根回しとか、面倒臭いことは周りの人におまかせ。美味しいところだけつまんで生きていきます。そう思われがちだからこそ、美人と2世は「世間知らず」と叩かれがちだ。
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そして最も叩かれている2世の一人が花田優一ではないだろうか。なんと今度は歌手デビュー。ついにここまできたかと笑ってしまったが、彼の愛されたい・認められたい願望の強さに少し同情してしまう。偉大な親を持つ2世に落ちる光と影。彼はいつも、後者に刺激されている。テレビに出演するたびに、俺の苦労も知らねえで、とか、マスコミが面白おかしく映すから、と文句ばっかり言っているのだ。バーンと売れてアイツらを見返してやりたい。そういう思いがひしひしと伝わってくる。そして、自信のなさも。今回の歌手デビューでも「一番をとりたい」「紅白に出たい」と宣言する一方、「ミヤネ屋」で生歌を披露した後は大げさに恥ずかしがる。可愛げアピールだったのかもしれないが、さっきまでの悪態はどこに、という不安定さが垣間見えた瞬間だった。
だが彼は勘違いしている。世間が欲しいのは、そういう急場しのぎの謙虚さではない。2世の立場に甘えず、泥臭く苦労を重ね続けている姿が欲しいのだ。その姿が定着してきた時、ようやく人気に火がつく。むしろ、器用でカッコいい俺、感じの良い俺だけ映しておいてよ、という姿勢が透けて見える2世は、いつまでも「世間知らず」として馬鹿にされ続ける。
もともと靴職人として注目を浴びた時、花田に対しての世間の見方は好意的だったはずだ。貴乃花親方と、元フジテレビアナウンサーの河野景子を親に持ちつつも、華やかなテレビ業界に進まなかった。親のコネに甘えず、自分の力で生きていく意識の表れ。職人というからには、さぞ地道な努力を重ねてきたのだろう。そう感じ取った人が多かったからではないか。若くてルックスも爽やかだったので、好青年という立ち位置さえ獲得していた。むしろあのまま靴職人で成功していたら、世間を見返してやりたい、ともがくこともなかったように思う。なまじ注目を集めてしまったばかりに、抑えてきた「親と同じように表舞台に出たい」という野心が爆発してしまったのかもしれない。
ミスチル桜井、イエモン吉井、窪塚洋介…イケメンパパの息子たちも参入で2世市場はレッドオーシャンに
今、2世市場はどんどん激化している。目玉はMr.Childrenの桜井和寿の息子・櫻井海音だろう。元はスガシカオなどのサポートドラマーとしてKaito名義で活動。最近ではAbemaTVで大人気の恋愛リアリティーショー「オオカミくんには騙されない」のシーズン8に出演し、出自とともに話題となった。他にもTHE YELLOW MONKEYの吉井和哉の息子・吉井添や、窪塚洋介の息子である窪塚愛流もモデルデビュー。いずれも父親に負けず劣らずのイケメンぶりで、早くも若い女性を中心に注目を集めている。
海音については、おそらく父親の不倫がいまだに取り沙汰されることも含め、言われなき非難を受けることも多かっただろう。だからこそ最初から芸能人としてではなく、手に職というか、一つ自分の専門性を手に入れようとしていたのではないか。だから彼に対しては、恋愛リアリティショーに出ようが、節操のない宗旨替えという批判はあまり出ない。2世という立場に甘えない実直さ、というのに世間は弱い。よく考えれば吉井も窪塚も、「糟糠の妻を捨てた」父親ではあるが、その過去を理不尽に背負っているのが子どもたちだろう。彼らのような2世たちは、人一倍世間の目を気にして、謙虚に生きるように縛られていることも多いに違いない。
そう考えると花田優一が狙うべきは、1周回って「愛されるバカ息子」という土俵のように思う。長らく長嶋一茂が君臨していたポジション。2世ならではの不遜さやズレを、笑われる場所。しかし一茂はそこで鍛えられ、今やご意見番として引っ張りだこだ。俺の話をみんな黙って聞けよ、と言い続ける花田にとって、一茂のポジションはうらやましい限りだろう。
本当に世間を見返したいのなら、すでに他の同世代が成功していることに飛びついても意味がない。誰もいない場所を探して極めるべきだ。裏を返せば、バカな2世、というのは誰もができるものではない。
紅白に出るのは、残念ながら海音の方が近い気がする。だからこそ年末は「笑ってはいけない」に出られるくらいに振り切ったキャラになる方が、花田自身が思うブレイクに近づくのではないだろうか。彼の不毛な独り相撲が、早く終わることを願いたい。