文在寅の二面性 「北朝鮮の謝罪は格別と持ち上げ、日本の謝罪はスルー」 

国際 韓国・北朝鮮

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反日を超える克日と抗日を主張する文大統領

 2019年8月15日の光復節の祝辞では、日本の対韓輸出規制措置に関連して「日本政府がどのように弁明しようが、過去の歴史を経済問題と結びつけたのは明らかで、これを否定したのは正直ではない」「ドイツの過去の歴史反省でヨーロッパ諸国と和解したことを日本は深く刻まなければならない」と、日本に心からの謝罪を要求した。

 1965年の日韓国交正常化で、日本は当時の外貨準備高の約30%にのぼる5億ドル(無償3億ドル、借款2億ドル)を供与し、植民地支配に対する損害賠償が「最終的かつ不可逆的に解決した」と当時の韓国政府と合意した。

 それにもかかわらず、韓国の進歩陣営は、竹島領有権、教科書歪曲問題、慰安婦問題などを喧伝し、合意に批判的な国際世論を煽った。

 その度に、日本の指導者は数回にわたって謝罪を述べたが、これらの謝罪を韓国側は「抽象的」で「心からの反省の意がない」と言って受け入れず、日韓両国は平行線を辿った。

 特に反日を超える克日と抗日を主張する文大統領はこのような世論を戦略的に使い、韓国内で自身の支持率を高めるために利用してきた。

 金正恩委員長は去る24日、労働党中央委員会統一戦線部名義で青瓦台(大統領府)に通知文を送り、「文在寅大統領と南の同胞たちに大きな失望感を与えたことを大変申し訳なく思う」と異例の謝罪を行なったが、文大統領が「格別な謝罪」と受け止めたこのメッセージは、全体の半分にも満たない。

「日本に対する謝罪要請」は政治的な扇動のスローガン

 北朝鮮の金正恩は韓国側が要請した共同調査を「領海を侵犯した」と断った。

 無残にも殺害した後、公務員の遺体を遺族に渡す最低限の道徳的な義務すら果たさず、「無断侵犯行為」を理由に、火をつけるという強硬な対応をとった。

 それにもかかわらず、韓国政府当局は事件の真相調査のため、国連あるいは国際人権機関などに協力を要請する動きを見せていない。

 それどころか、政権与党の共に民主党と与党関係者は、金正恩の謝罪を「卓越している」「十分だ」「啓蒙君主のメッセージ」などと擁護する始末である。

 韓国人の多くは、大統領と政権与党の従北的な姿に怒りを覚えている。

 1965年の“国交正常化の合意”と2015年の“慰安婦合意”などを妥結した過去は「謝罪の真正性」を云々し「親日派を炙り出す」として、真相調査究明委員会を組成した文大統領が、北朝鮮の自国民テロには沈黙している。

 文在寅の二面性に、韓国国民は「日本に対する謝罪要請」は結局のところ、政治的な扇動のスローガンに過ぎなかったと悟る様子を見せている。

チャン・ヘウォン記者

週刊新潮WEB取材班編集

2020年10月1日掲載

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