トランプだけではない! 全米に〈税金逃れ〉を蔓延させた「危険な思想小説」
米国のエリートたちが心酔するベストセラー、アイン・ランド『肩をすくめるアトラス』
NYタイムズが報じたトランプ大統領の脱税疑惑が話題となっているが、アメリカ人を「納税拒否症」にかからせたと言われるベストセラー小説がある。アイン・ランドという女性作家が1957年に刊行した『肩をすくめるアトラス』という作品だ。
日本ではあまり知られていない作品だが、アメリカでは半世紀以上にわたって売れ続け、累計発行部数は少なくとも700万部を超えているという。
早稲田大学教授の岩村充さんは、近著『国家・企業・通貨――グローバリズムの不都合な未来』において、この本こそがアメリカのエリート層に浸透している「新自由主義」の源流であり、また全米に「税金逃れ」の風潮を蔓延させた要因の一つとなっていると分析している。...