菅首相で「拉致問題」「日朝交渉」はどうなる? 「進展する可能性あり」と言われる根拠

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台風被害も影響?

 9月16日の就任会見で、菅義偉首相(71)は拉致問題の解決に強い意欲を示した。朝日新聞は記事「拉致解決へ『不退転の決意』 菅首相、就任会見で抱負」(17日朝刊)を掲載した。

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《菅義偉首相は16日の就任会見で、「安倍政権と同様、最重要の政権の課題。不退転の決意で、自らが先頭に立って取り組んでいきたい」と述べた》

(註:全角数字を半角数字に改めるなど、デイリー新潮の表記法に合わせた、以下同)。

 2002年10月15日、北朝鮮に生存していた5人の拉致被害者は一時帰国を果たした。だが北朝鮮は、横田めぐみさんなど8人は死亡したと主張して譲らなかった。

 北朝鮮は証拠として遺骨を提出。だが日本政府がDNA検査を実施すると、めぐみさんとは異なるDNAが検出された。

 劇的な一時帰国から18年が経過したが、日本人の誰もが膠着状態を感じている。日本の首相が替わっても、前向きな期待を持てないのではないか──?

 だが、北朝鮮情勢に詳しい東京通信大学の重村智計教授は、「菅政権の誕生で、日朝協議が進展する可能性はあると思います」と指摘する。

「北朝鮮の国営メディアは、安倍晋三前首相(66)には個人攻撃を行ってきました。ところが今のところ、菅首相については一切の論評を控えています。菅首相に対する期待の表れと見るべきでしょう」

首相交代と総連人事

 どうやら日本のトップが交代したことで、外交協議を再開できないか北朝鮮も注視しているようなのだ。

 北朝鮮に対する日本の独自制裁は、国連以上に厳しいとされる。これを緩和させることが彼らにとって重要な懸案事項であるのは言うまでもない。

「9月には北朝鮮を台風9号と10号が直撃しました。国営メディアは数十人の死亡などを伝えましたが、より深刻な被害が出ているとの観測もあります」(同・重村教授)

 日朝協議が再開されても、いきなり制裁解除について話し合うのはハードルが高い。だが台風被害に対する人道支援という話題なら、日本も北朝鮮も交渉のテーブルに着きやすい可能性がある。

 重村教授によると、北朝鮮は協議再開を見据え、着々と“布石”を打ちつつあるという。

「朝鮮総連は9月6日、中央委員会の総会を開き、許宗萬議長(85)を実質的に解任するという大きな動きがありました。北朝鮮から厳重に封をした金正恩氏(36)の“指令書”が届き、朴久好副議長(年齢不明)の第一副議長昇格を発令、『朴第一副議長の下、団結せよ』と指示があったそうです。許氏は議長の座には留まりましたが、朴新体制が始まったのです」

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