「竹内結子さん」追悼 “僕はこう思う”“私はこう考える”
「スポーツの秋」「食欲の秋」「読書の秋」があったはずなのに
本来ですと今年の今頃というのは、東京オリンピック・パラリンピックも無事に終わり、その繰り広げられた感動シーンの余韻に浸りながら、「スポーツの秋」「食欲の秋」「読書の秋」を堪能なさっている方も多かったことでしょう。人生に「たら・れば・もし」はないと思っておりますし、そんなことを口にしてもただの愚痴でしかないということも重々承知しております。ただ、今年のこの惨状に接し生活をしていますと、禁句と認識しております「たら・れば・もし」を使わずにはいられません。
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もちろん、私なんかよりもこの言葉を、声を大にして口にしたい方々は大勢いらっしゃると思いますが、どうかここは一つお付き合い頂ければと存じます。
誰がこんな悲惨な2020年を予想したでしょうか? このままだと本当に今年は「失われた1年」と捉えるしかないものとなってしまいそうです。
新型コロナという得体の知れない新たな人類の敵が現れ、多くの人の命を奪いました。しかし医療現場の皆様そして薬品メーカーの皆様の多大なる尽力で、その存在の骨格は見えてきたようにも思えます。
現在は、少なくとも2月3月の状況とはまったく違ってきています。しかし「正しく恐れる」という思考や姿勢はなかなか浸透しておらず、陰鬱な生活を強いられている方も多いと思います。
未だになくならないコロナ差別や風評被害、私も罹患者だったのですが風評被害みたいなものを恐れて、本当にごく僅かの関係者にしか報告せず、ひたすら隠密行動に終始し、人目を忍んで自主的に軟禁生活をしておりました。
私自身は今年に入りましてからはそこまで外仕事や人と接する仕事や生活を送ってはいなかったので耐え難き苦痛を感じていたわけではありません。
しかし、これまでの生活と完全に状況が一変してしまった方々も多いと思われます。それ故の苦悩で、心の病が発症し、自死を選ばれた方も……。
「もしもコロナ禍でなかったとしたら?」と
私は48年生きてまいりましたが、以前ここまで立て続けに名前の知れた俳優の方々が自死を選んでしまった年があったという記憶はございません。
それぞれの苦悩葛藤が自死へと走らせてしまったのでしょうし、その原因はご自身にしかわからない部分が多くを占めていると思われますが、「もしもコロナ禍でなかったとしたら?」とは思ってしまうわけであります。
三浦春馬さん・芦名星さん・藤木孝さん・竹内結子さん、皆さん名うての名優の方ばかりです。
遺族の方々や近親者、関係者こそが「なんで、どうして」という思いを強く抱き無念を感じていらっしゃるので、私がここでそういったことを連呼しても意味のあることではないと思います。
まして「近くにいた人がなんで察してあげられなかったのか、気づいてあげられなかったのか」などというのは論外であると思います。
私の周りでも自死を選んだ人はいました。その際に取り残された遺族や友人関係者の慟哭を目の当たりにしたこともあります。
こういった場合、一番気の毒なのは残された方々なのです。そのことだけは第3者的立場の人々は肝に銘じなければなりません。
そしてこの度お亡くなりになられました竹内結子さんは、あるテレビ司会者の方もおっしゃっていましたが、おおよそ自死を選ぶとは思えない方でした。
ドラマや映画で眼光鋭い迫真の演技(「ストロベリーナイト」素晴らしかったです)を見せたかと思えば、バラエティ番組出演時には満面の笑みを浮かべ、朗らかで快活、その時々を楽しんでいらっしゃる姿を拝見しておりましたので、こう言っては失礼かも知れませんが本当に意外な最期だったと思えてなりません。
ただそれはメディアに映し出された彼女の姿であって、一歩世間に足を踏み出したら「竹内結子」を演じていたのかも知れません。いや、そうなのでしょう。
もしかしたら関係者でも知らないことで、家族しか知り得ない真実もあったのかも知れません。
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