コロナ禍に「かつや」大躍進の理由 機動力と立地がキーワード
飲食業界を救うための「Go To イート」が始まる。何しろ、今年7月の売り上げが「パブ・居酒屋」で対前年同月比47・2%と、焼け野原のような状態なのだ。マクドナルドやケンタッキーなど、「テイクアウト特需」の恩恵を受けたところもあるが、さらにコロナ禍にあって逆に売り上げを伸ばしたのが、とんかつ店チェーン「かつや」である。
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「運営会社の『アークランドサービスHD』は国内外に500店以上を展開しています。9月初旬に発表した8月の売り上げは全店で対前年比123・5%。勝ち組と言われるマクドナルドが113%なので好調ぶりが分かる」(証券会社幹部)
同社はアークランドサカモトというホームセンターの子会社。「かつや」1号店は1998年開店というから意外に古い。
「とんかつは揚げ方が難しい料理。それを特注のオートフライヤーでアルバイトでもサクサクに揚げられるようにするなど、まずコストを下げ、安い値段で出せるようにしたのです。たとえばロースカツ定食は、ごはん、とん汁がついて(お新香は取り放題)690円。それが当たり、上場以来、14期連続で増収増益を記録しているのです」(同)
コロナ対策も早かった。いち早く、肉がてんこ盛の「豚玉丼から揚げチキンカツ弁当」などのテイクアウトを出し、8月には新聞に大広告を打ってロースカツ定食を540円に引き下げた。
「かつやは9割が郊外にあり、40代の男性がターゲットです。コロナでは駅前の商業ビルにあるとんかつ店が営業できなかったりしましたが、ロードサイド店が多い当社は影響が少なかったのです」(アークランドサービスの広報担当者)
機動力とロードサイドが二つのキーワードか。
ためしに、「かつや」の秋葉原店を訪れてみる。フライヤーの前に立つアジア系の店員がキャベツを敷いた皿に熱々のカツをのせると「オマタセシマシター」。しかし、注文からわずか3分、ファストフード並みの早さだった。