参院議員の父がダマし取った90億円 次男が「銀座」豪遊の日々を語る
道端で会っただけのクラブママには200万円をポン、1億円の熱帯魚、F1好き
「うちの店だけでも、週に3日は来ていました。スーツにヴェルサーチのネクタイでビシッときめてくる。10万円のドンペリを一日2~3本空けたり、150万円のロマネコンティを空けたりすることもありました。しかも、支払いは現金でしたから、取りはぐれのない“Aランク”のお客さん。女の子には“ももちゃん” と呼ばれて大人気でした」
店の「ナンバーワン」ホステスが大好きで、付いただけで100万円のチップをポン。道端で会っただけのクラブママには200万円をポン……。当時の銀座に残した武勇伝は掃いて捨てるほどあるし、また、放蕩ぶりは「夜の世界」に留まらなかった。
全部で1億円と言われた高級熱帯魚を飼っていたのは話題となったし、事件の被書者弁護団団長を務めた、宇都宮健児弁護士も振り返る。
「百男はF1が大好きでね。三重県の鈴鹿サーキットで開かれる日本グランプリに東京からヘリコプターで乗り付けて観戦していました。しかも、銀座のホステスを引き連れ、チケット一枚23万円の特別席に陣取るという豪勢ぶり。こうした趣味が高じて買ったのが、アイルトン・セナのために作られたレースカー。弁護団はこれを差し押さえて1710万円で売り、被害者への弁済に充てたのです」
こうした彼の私的流用額は、裁判で認定されただけで6億7000万円。懲役8年の判決が下された。
一方、懲役10年を食らった父・達夫氏は、
「行きつけは自宅近所のスナックでせいぜい月に数十万円しか遣っていない」(担当だった吉ヶ江治道弁護士)
と言うから、当時のメディアに「バカ息子」の文字が躍ったのも仕方ないのだ。
「みんな仕事のために呑んでいたんです」
さて、ではその百男氏はかつての罪をどう捉えているのか? 本人は、
「信じてもらえないかもしれませんが、騙すつもりはありませんでした。父も私もきちんと運用しているから大丈夫だと思っていたんです。でも、騙す意思がなくても結果的に返せなかったんだから、詐欺は詐欺。申し訳なく思っています」
と、何やら回りくどいものの、自らの責任は認める格好である。しかし、銀座での豪遊について尋ねると
「あれは接待」
とおっしゃるのだ。
「政治家、芸能人、弁護士や会計士とも、みんな仕事のために呑んでいたんです。だから“遊び”とは言いたくないんですよね」
「仕事」にしては、ずいぶんと気前良くチップをばら撒いたものであるが、
「今思うともったいないなぁと思いますよ。女性もある程度演技じゃないですか。当時はそれに気付かなかった。愚かですよね。今は社会勉強をして、オモテとウラを見ているから、持ち上げられても嬉しくない。今では、銀座どころかキャバクラにも行きませんよ」
と、妙な“成長”をアピールする。
そんな百男氏、現在は不動産や自動車のブローカーを生業とするものの、生活は厳しく、知人宅を転々とする身で、楽しみは晩酌のチューハイとのこと。
肝心の被害者弁済については、「したいけど、出来ていない」ということだそうだ。
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