今や巨人は“三本柱”と“期待の山瀬”で捕手王国 復帰「小林誠司」の扱い方は?
大城・岸田は「阿部慎之助の後継者」
先発出場の数や、試合での活躍を見ると、「小林のケガがあって、幸運な大城が正捕手の座を奪おうとしている」と受け止めているジャイアンツファンも多いだろう。
だが小田氏は「だとすると、大城くんを過小評価しています」と指摘する。
「小林くんのケガにかかわらず、大城くんが実力で1軍の座を確保しているのは間違いありません。打撃は誰もが認めていますが、リードも自分の頭で考えて、投手の長所を伸ばそうとしているのが伝わってきます。菅野が10連勝を達成した時、彼のリードについて『選択肢を増やしてくれる』と評価していましたが、あれはお世辞でも何でもなく、本心の言葉だと思います」
小田氏は岸田についても、「前から注目していました。キャンプを視察した際も、良い意味で目立っていました」と評価していたという。
「キャッチング、リード、ブロッキングなど、捕手としての基本がしっかりしていました。岸田くんは報徳学園から大阪ガスに進んで巨人に入りましたが、『社会人としての経験もプロで活かされているな』と思っていました」
炭谷は球界一の捕手
先に小林・炭谷が打撃を苦手とし、大城・岸田が打撃を得意としているタイプだとしたが、小田氏は後者の2人を「阿部慎之助・2軍監督(41)の後継者になる可能性があります」と指摘する。
「捕手は僕のように『どうか打撃だけは勘弁してください』というタイプと(笑)、阿部2軍監督のように自分のリードのせいで1点を失ったら、『俺のバッドで2点を取る』というタイプに二分されます。大城くんと岸田くんは後者のタイプでしょう。2人とも配球を読むことでバッターとして活躍しており、それがリードに活かされているわけです」
その上で小田氏は、大城が活躍している要因は何と言っても、「勢いに乗っている」ことに尽きるという。
「まだ若くて怖いもの知らずなのが、良い方向に作用していますね。ベテランキャッチャーの考え抜かれたような配球ではありませんが、今のところは、それが非常にうまくいっている。ただし、スタメンとして出場している限り、キャッチャーは必ず痛い目に遭います。大城くんが痛い目に遭った時、それを糧にして成長できるかどうかが、今後の鍵になるでしょう」
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