「菅内閣」支持率64%でも…記者、閣僚関係者らに聞いた「死角」とは?

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国民は忘れてくれると高をくくっていた安倍政権とは違って…

 毎日新聞やJNNなどは、9月16日の菅義偉内閣の発足を受けて世論調査を実施。自民党が政権を奪還した2012年12月の第2次安倍内閣のスタート時(52%)を大幅に上回った。派手さを嫌う実直イメージがひとまず奏功した恰好だが、果たして死角はないのか? 記者、閣僚関係者らに聞いてみたところ……。

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「今回の組閣を見ると、菅さんの慎重な性格が出ているなぁと思いました」

 と、ある全国紙の政治担当記者。

「留任とか横滑りが多くてある程度『居抜き』状態にして、上川さん(陽子法相)や田村さん(憲久厚労相)、小此木さん(八郎国家公安委員長)は再登板。“勝手知ったる”とは言えないまでも、安定感を期待してのことでしょう」

「初入閣は5人ですが、安倍政権で改造の度に繰り返された『在庫一掃』的な印象はないですね」

「中小企業の社長風の桜田義孝さんがなぜかサイバーセキュリティ担当大臣になって、“自分でパソコンは打たない”“(USBメモリは)使う場合に穴に入れるらしいんですけど、細かいことは、私よくわかりません”などと、国会で見世物のようになったことがありましたが、そういうことはなさそうです」

 答弁が迷走した例で言えば、北村誠吾地方創生担当相もその1人。なぜか公文書管理を担うことになり、国会で追及の矢面に立たされたのだが、「お答えいたします! ……うーん……2条の……」と答弁で立ち往生。

 安倍晋三前首相の「適材適所」「任命責任は私に」と繰り返される言葉が虚しく響くようだった。

「安倍政権は野党が弱小だから世の中をナメているところがあり、ちょっとしたスキャンダルや失言もうまく火消しすれば国民は忘れてくれると高をくくっていました」

「適材適所とか仕事ができるとか、能力があるとかそういう観点で見たら選ばれない議員でも、重要閣僚でもなければ長く務めるわけでもないので任命されやすかった。それでも“1度大臣をやった”ことには変わりないですからね」

何でも首を突っ込んで背負いたがる性格が……

 一方で、

「今回の菅人事に関しては、そこまで国民をナメた感じは伝わってこないですね」

 と話すのは、テレビ局の幹部。

「菅さんは何でも自分でやらないと気が済まないというキャラクターで、“良きに計らえ”的な部分のある安倍さんとは対照的です。だから、大臣になっても答弁がうまくできなかったりする人は論外なんでしょう」

「安倍政権の2822日を事実上のナンバー2として支え、危機の芽を小さなうちに摘んで大事にしてこなかったという自負もあるんでしょう。ただ、それが心配なところです」

「ナンバー2とトップとではプレッシャーがまったく違います。何でも首を突っ込んで背負いたがる性格の菅さんが首相として何でもやり出すと、一気にカラダに来ますよ」

 そう言って、この幹部は小渕恵三元首相を例に出して、こう続ける。

「当時、私は現場に張り付いて取材をしていた立場でしたが、担当している番組の放送が終わると、電話がかかってくる。知らない番号だなぁと思うと、“総理秘書官の◎◎です、総理が話をしたいと仰っていますので代わります”と言うんです」

 噂に聞いていた“ブッチフォン”だ。

「その日の放送は小渕さんにかなり厳しいスタンスだったと思うんですが、“今日の放送は良かったですね”と言うんです。声色からホメ殺しとかではないとわかるので、こちらはかなり恐縮してしまって、電話なのに頭を下げながら、“あ、どうもありがとうございます”と言うのが精いっぱいでした」

「メディアっていうのは基本的にはアンチ権力ですからね。ただ、そういう部分も認めて接していた首相だったと思います。もちろん政策について評価する放送をしたときも、“よく見てくれていますね”などと言葉をもらった記憶があります」

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