伊勢谷友介の“心の闇” 「社会貢献」と「DV」「大麻」の関係を精神科医が分析

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“怒りの置き換え”

 そもそも伊勢谷はなぜ、怒りや衝動をコントロールできないのか。

「育った環境が大きく関係していると思います。彼の父親は何度も結婚と離婚を繰り返す、自由奔放な人でした。彼が生まれた後も、育てていませんし、父親らしいことはほとんどしてなかったそうです。伊勢谷の心の根底には、父親に捨てられた、可愛がってもらえなかったという恨みがあるはずです。とはいえ、その怒りを父親にぶつけることはできません。怒りは溜まっていくと、どこかで出さないといけない。それで怒りの矛先の向きを変え、交際女性などにぶつけるのです。このメカニズムを“怒りの置き換え”といいます」(同)

 当然、交際も長くは続かない。

「彼女が別れると言った時、泣いて謝罪するのは、見捨てられる不安があるからですね。こういう態度をとるのは、おそらく父親に捨てられたという思いが大きく関係していると思います」(同)

 大麻を使用していた理由については、こう分析する。

「大麻と怒りの衝動をコントロールできないことは、密接に関係しています。薬物には、ダウナー系ドラッグと、アッパー系ドラッグがあります。ダウナー系は、脳の働きを抑制します。緊張感が取れ、愉快になります。大麻がこれですね。アッパー系は脳の働きを活発にし、覚醒度を高めます。コカインや覚せい剤です」(同)

 ダウナー系を使用する人はポール・マッカートニーに代表されるように、ミュージシャンなどのアーティストが多いという。アッパー系は快楽や刺激を求める人が多く、清原和博やASKA。沢尻エリカは両方使用していた。

「伊勢谷さんが大麻を使用したのは、怒りの衝動やイライラを抑えるのが目的でしょう。大麻で衝動をコントロールしようとしたのです。父親に捨てられたからこそ、彼は自分の中で理想の父親像を描いたはず。いろいろな社会貢献を行っていたのも、理想の父親像を体現させたいという気持ちがあったからかもしれません」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年9月17日掲載

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