「伊勢谷友介逮捕報道」「大手芸能事務所」「大麻合法論争」について考える

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「作品」と「個人」は別物の判断には賛同するが…

 そんな中、これまたいつもの話になるのですが、俳優の窪塚洋介さんがインスタグラムにおいて、こんなコメントをなさいました。

「誰も被害者のいない犯罪を犯した者に対して、皆でよってたかって石を投げている日本国民特有のその姿が気持ち悪い。(法律上、犯罪は犯罪なのでそこに異論はありませんが、更生しやり直す可能性やその意志の芽まで摘むような所業はどうかと思います。)」

「更生しやり直す可能性や~」の部分は共感いたしますが、「誰も被害者のいない犯罪を犯した者」という部分には同意しかねますね。

 一方で、杉村大蔵さんが以下のような実に的を射た反論をされたのです。

「よく被害者がいないっていう話もありますけど、迷惑をかけていないっていうのはどうなんだろうなって思いますね」

「例えば伊勢谷さんは教育活動や政治活動をしていて、子供たちがどんな思いをするか、親がどんな思いをしているか。CM、映画、ドラマ、スポンサーさん、やっぱり大きな社会的な影響、はっきり言って大迷惑だと思いますけどね」

 直接被害はなかったとしても2次被害的な間接的被害を被る方はいるわけです。そんなことを40過ぎた大人が気にしないで生きていることが残念ですね。

 さらに吉永小百合さん主演の新作映画「いのちの停車場」製作発表の際に東映・手塚治社長が会見で「逮捕には大きなショックを受けたが、映画は料金を払ってみるためテレビとは違ってクローズドなもの。『作品』と『個人』は別物。作品を守るという考えのもと、判断を下した」と説明をなさいました。

 これとて、映画会社本体そしてスポンサー筋との綿密な話し合いの上に下された決断でしょうし、この判断には大いに賛同します。

 しかし、伊勢谷さんのせいで関係者に余計な苦悩を与えてしまったこともまた否めませんよね。

徳光正行(とくみつ・まさゆき)
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。日本大学芸術学部在学中よりミュージシャンを目指すが、父の病により断念。その後、司会業やタレント業に従事する。また執筆活動にも着手し『伝説になった男~三沢光晴という人~』『怪談手帖シリーズ』などを上梓。4月27日には岩井志麻子氏との共著『凶鳴怪談』を出版。現在YouTube「徳光ちゃんねる」でも活躍中。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年9月16日掲載

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