「ダルビッシュ」絶好調の原因はコロナ? 日本人初のサイ・ヤング賞なるか
絶好調のカブス・ダルビッシュ有(34)が8月のナ・リーグ月間MVPを獲得した。
開幕前はコロナ下でプレーすることにSNS上でぶう垂れていたダルだが、実はいま、彼にとって“コロナ”は追い風になっている。
「今季のメジャーは、コロナによる特別ルールがいくつか設けられています」
とメジャー評論家の友成那智氏が説明する。
“同地区内で争う”というのもその一つ。移動による感染リスクを最小限にするための措置だが、
「東地区や西地区の強豪と対戦せずに済むのは大きい。カブスがいる中地区は、メジャー最弱のパイレーツや、ア・リーグで昨年100敗以上のタイガース、ロイヤルズなど弱いチームが多い。ダルは今季黒星スタートでしたが、2戦目パイレーツ、3戦目ロイヤルズ、と弱小チームを相手に勝利しリズムをつかんだようでした」
“コロナ”の恩恵はそれだけではない。
昨年ナ・リーグ中地区1位のカージナルスではクラスターが発生し、8月1日から15日まで全試合が中止に。代わりに16日以降は連日のようにダブルヘッダーが組まれるという過酷なスケジュールになった。
8月18日、ダルが対戦したカージナルスは、
「7番手の投手が先発。前日ダブルヘッダーを戦った打線もヘロヘロでした」
昨年2位のブルワーズも、
「チームリーダーのケインは、コロナを理由に今季不出場。一昨年MVPで昨年も準MVPの主砲イエリッチも、コロナによる準備不足が祟り、今季は打率2割そこそこと大不振です」
8月13日、ダルが“7回までノーヒッター”という快投を演じたのは、そんなブルワーズが相手だった。
また、ダル好投の陰には、捕手カラティーニの好リードがあると言われる。実は彼、レギュラーではなく2番手捕手。主にダルが投げるときマスクをかぶる“ダル専属”なのだ。そんな彼の起用もコロナが助けてくれている。
「コロナのせいで過密日程となった今季は、選手の負担軽減のためナ・リーグもDH制が導入されました。これにより、強打のレギュラー捕手コントレラスがDHで使えるようになり、2番手捕手カラティーニを使いやすくなっています」
コロナを味方につけて、目指せ、日本人初のサイ・ヤング賞!