韓国で「親日派の墓暴き」が法制化へ 国会議員の多数が賛意という恐ろしさ
コロナ対策で強気に
さらに恐るべきは、こうした極端な思想を持っているのは文大統領に限らないことだ。先にも触れた通り、
「今年3月、光復会は総選挙に出る予定の候補者に破墓法調査を実施しましたが、3分の2が同意。4月の総選挙を経て、結果的に当選者の3分の2近い190人が『親日派・反民族的人物の墓を移葬すること』に賛成した人たちでした」(李教授)
実際、6月の時点で「共に民主党」の議員から破墓法は発議された「実績」がある。そして今国会に向け、
「8月中旬には、同党の議員が国会内で破墓法の公聴会を開いています」(在韓ジャーナリスト)
やはり、どうやら文大統領サイドは本気らしいのだ。ただ、「救い」がないわけではなく、
「野党議員の中には、『光復会会長の言う通りだとするなら、韓国は誕生してはならない国だった』と批判する人もいます。左派は李承晩や朴正熙(パクチョンヒ)といった、国の礎を築き、発展させた元大統領まで破墓法の対象になると主張しています。しかしもし本当にそうなってしまえば、今の韓国は正統性を失い国の体を成していないことになると、至極真っ当な理由で、破墓法に反対しているのです」(先の韓国ウォッチャー)
しかし、である。
「文政権は、新型コロナウイルス対策に成功したとされ、その結果、支持率を上げました。コロナ対策の中には、外出自粛など、国民生活を厳しく制限するものもありましたが、国民はそれを受け入れました。そのため文政権は、このコロナ禍であれば、平時ではあり得ない独裁的で、過激なことも許される、むしろ強権的な姿勢を見せたほうが国民のウケが良いと考えているのだと思います。そこで破墓法を通そうとしているのでしょう」(呉教授)
先の在韓ジャーナリストが、同法の見通しについてこう続ける。
「現在、『たまねぎ男』ことチョ国(チョグク)前法相の後任に、親族に関する新しい疑惑が持ち上がっています。韓国では連日、この疑惑が報道されていて、文政権が再び窮地に陥ることも考えられます。国民の目をこの話題から逸らすために、反日法である破墓法を強行成立させる可能性は大いにあると思います」
21世紀に、本当に李氏朝鮮時代が復活しかねないというわけだ。そんな事態になれば、さすがにその「インパクト」は日韓に留まらず、世界に広がるであろう。国際政治学者で防衛大学校名誉教授の佐瀬昌盛氏が、唖然としつつ一刀両断する。
「破墓法が成立したとして、『それは理解できる』と賛同する国はまずないでしょう。墓を掘り起こすなどという死者を蔑(さげす)む行為が法律で正当化されるなんて聞いたことがない。これは歴史的愚行だと思います」
最後に、李教授が繰り返しこう訴える。
「光復会の会長の発言を機に、破墓法が成立する可能性が高まっています。異常な法律であることは論を俟(ま)たないところですが、それが今の韓国では正常なこととして通ってしまいそうなのです」
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