逮捕の伊勢谷友介も なぜやらかすタレントほど「自分は大丈夫だと思った」と言うのか

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自信家ほど一般女性に「とどめを刺される」危険性 思えば新井浩文も

 そう思うと彼らの共通点は、ジャニーズとの交際歴がある女性との恋愛遍歴、ということではない。むしろ徹底した自己愛であると思う。「トロフィーワイフ」を手に入れたことも「成功体験」。本業以外の事業に手を出して名を売るのも「成功体験」。一方で、一般人女性をぞんざいに扱おうが犯罪に手を染めようがバレないことも「成功体験」。何をやっても上手くいく俺、最後に帳尻を合わせられる俺。だから「自分は大丈夫と思った」「安全な遊び方だった」と言えてしまうのだろう。そこには巻き込まれた女性や、周囲への視線は抜け落ちている。きっと自分に自信があるから、周りが止めようと聞く耳も持たないだろう。だから「あの人ならいつかそうなると思った」と呆れ気味に言われてしまう。

 周囲と温度差があったパターンとして、かつて強制性交で逮捕された新井浩文を思い出した。「首を絞めて気絶させても、すぐ起こせるから大丈夫」と吹聴していたそうだが、彼も旬の年若い女優とよく交際報道が出ていたものだ。オンオフ問わず、彼なりの「成功体験」を積み重ねていたのだろう。でも最後に、やはり一般女性によって訴えられた。そして逮捕後は一様に「驚かない。彼にはそういう噂があった」と言われていた。

 伊勢谷にしろ渡部にしろ新井にしろ、メインを張るタイプというよりは「名バイプレイヤー」と称されるタイプだった。でも自信家の彼らのことだ、主役になりたい、中心にいたいという野心はずっとあったことだろう。きっと自分より知名度も腕力も無い女性の前では、主役然として振る舞えたのかもしれない。もしそうだとしたら、抱えた葛藤には少し同情する部分もある。しかしだからといって、扱いのひどさや、犯罪行為は許せるものではない。

 自分だけはバレないと思っていたのに、恥ずべき部分はずっと前から見えていた。そしていちばんバカにしていた存在が、彼らにとどめ刺す。まるで「裸の王様」のようである。皮肉なことに、彼らは失態を通じてようやく主役になれたのだろう。自信家の彼らにとって、最も望まない形で。

冨士海ネコ

2020年9月13日掲載

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