鳩山元首相と息子、中国問題で対立 2世議員につきまとう親の影(KAZUYA)
2世、3世の国会議員は多く存在しますが、世襲議員には親の影がつねに付き纏います。
世間からも本人の単純評価ではなく、父親(まだまだ親が女性議員の世襲は少ない)と重ね合わせて見られる宿命なのです。評価が高い親であれば徳性を比べられて損をしますし、評価が低い親であれば、「蛙の子は蛙」で何もしていなくても低評価になりがちな難しい境遇です。
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「悪夢のような」と揶揄される民主党政権時代の総理大臣の中で、異彩を放っているのが鳩山由紀夫氏です。在任中は普天間基地移設問題で発言のぶれが国民の批判を招き、退任後は韓国に行って土下座をしたり、中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)の諮問委員になるなど、一体どこの国益のために働いているのかわからない人物です。
その息子の鳩山紀一郎氏が最近Twitterで情報発信をしているのですが、驚くほどに父親とは考え方が違います。紀一郎氏も「日本先進会」なる会を作り、YouTubeでの発信もしていますから、政治への想いがあるのでしょう。
注目すべきは、父親との安全保障に関する議論で十分に折り合うことができなかったという点です。対立のポイントは東アジア共同体で、紀一郎氏は中国はそもそも脅威であり、一党独裁国家と共同体を構築することはできないという、ごくごく当然の理屈を述べた一方、由紀夫氏は完全に逆に行っている様子を次のようにツイートしています。
【父は「中国は脅威ではないと信じたい」および「民主主義が絶対的ではない」という理由で、東アジア共同体は可能と考えています】
全く論理も何もあったものではありません。「信じたい」というのは裏を返すと、中国の危険性を認識しつつ、それでも信じたいという願望が見え隠れしています。どんな願望を描いても結構ですが、現実を見てもらわないと困ります。
考えれば考えるほど、鳩山由紀夫氏が日本の政治のトップにいたことを思い返し寒気がします。そして由紀夫氏があまりに強烈なため、安全保障に関して紀一郎氏は普通のことを言っているだけなのに、ギャップが激しすぎて、よりまともに思えます。
紀一郎氏には同情してしまいます。本当に変わった父を持つと苦労しますね……いや、日本国民全員が苦労を経験済みでした。
そしてこのような経過を積極的に発信していくことで立場が明確になり、今後の活動にもプラスに働くでしょう。
親の影と言えば、近年影響力を高めている河野太郎防衛大臣も挙げられるでしょう。何しろ親は「河野談話」でお馴染みの河野洋平氏です。歴史問題における負の功績によって保守界隈からは評判の悪い人物です。太郎氏は紀一郎氏のように父親に言及する場面がありません。このあたりから個人の立場を明確にしてくれれば、応援もしやすくなるんですけどね……。現状は考え方がわかりにくく不気味です。
せっかく防衛大臣としての仕事や、Twitterでの面白い投稿で発信力を増しているのにもったいない。