友達の卒業アルバムに書いてしまった“重い一言”を反省(古市憲寿)

  • ブックマーク

 心に刺さった棘というと大げさなのだが、ふと思い出す昔の会話がある。

 あれは中学3年生の卒業式間際の出来事だ。卒業アルバムが配られ、巻末に級友たちと寄せ書きをしあっていた。同じ班で、すぐ後ろの席に座っていたナカムラさんからも一筆頼まれた。

 その時の僕が何の気なしに書いたメッセージは「変わらないでいてね」。ナカムラさんはクラスでも評判の優等生で、真面目な人だった。その良さを失わないで程度の意味だったのだが、今から考えると「変わらないで」という一言はあまりにも重すぎる。...

つづきを読む