33歳「陽岱鋼」と38歳「中島宏之」の明暗 3軍降格でもがく陽に巨人OBのアドバイス
低迷の陽に好調の中島
陽岱鋼(33)と中島宏之(38)と言えば、今年の開幕前は“ジャイアンツのお荷物”とも言われていた。しかし、2人の“現状”は、くっきりと明暗が分かれている。
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まずは昨年の2人の成績を確認しておこう。陽岱鋼が出場した試合は110試合。231打数で57安打。打率は2割7分4厘、ホームランは4本だった。
中島宏之は43試合で65打数、8安打。打率は1割4分8厘。ホームランは1本という成績だった。
2016年11月、北海道日本ハムファイターズに所属していた陽は国内FAを宣言し、12月に巨人と入団で合意した。契約期間は5年で、年俸総額は推定15億円と報じられた。
19年の成績を「代打の切り札として存在感を示した」と評価する声もあった。確かに110試合に出場し、打率は2割7分を超えた。とはいえ、多くのジャイアンツファンは「年俸泥棒」と思っていたはずだ。
一方、中島は埼玉西武ライオンズ、MLBのオークランド・アスレチックス(註:1軍出場はゼロ)、オリックス・バファローズを経て、18年に巨人と入団契約を結んだ。年俸は推定1億5000万円と報じられた。
それが昨年12月の契約更改では、何と1億3000万円ダウン。推定2000万円でサインしたと報じられた。
出場試合数の差
プロ野球を担当する記者が言う。
「陽選手も中島選手も、熱烈なジャイアンツファンから『年俸が無駄に高い外様選手』と批判されていました。そもそも巨人は豊富な資金力で、他チームのスター選手を引き抜いてきました。それを一部のG党も快く思っていないという構図がありました」
特にSNSでは、ジャイアンツファンが「なぜ若手を育成せず、陽岱鋼や中島宏之といった無用なベテラン勢をクビにしないんだ」と怒りの“改革案”が多数投稿されていた。
「2人とも昨年は、あの体たらくですからね。『だから言わんこっちゃない』ということでしょう」(同・記者)
ところが、である。今シーズンが始まると、中島はほぼレギュラーの座を勝ち取る一方、陽は3軍降格まで体験させられるという、異例の事態になっているのだ。
巨人の“不動の4番打者”である岡本和真(24)も加え、3人の打撃個人成績を比較してみよう。
陽に関しては、打率も出塁率も見る必要がないだろう。岡本と中島に比べて、出場試合の数が半分しかない。その事実が、彼の低迷を雄弁に物語っている。
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