11失点の藤浪晋太郎 欠陥フォームを修正できるかは“運次第”という指摘

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藤浪は崖っぷち

 11失点を喫した件の巨人戦も、藤浪の短所と長所が明確に現れたという。

「どれほど藤浪くんが不調に苦しんでいても、依然としてスライダーは超一流のキレがあります。あの試合でも、巨人打線が完璧に打ち崩したわけではありません。要所要所では打者を打ち取る場面もありました。結局、いつもの悪癖である四球で自ら苦境を招き、最終的には味方のエラーにも足を引っ張られてしまいました」(広澤氏)

 藤浪はトンネルを抜けたのではないかと希望を抱いた虎ファンも多かっただろうが、今も五里霧中というのが正直なところだろう。

 広澤氏の指摘を続けよう。

「私は打者なので、投手出身の野球解説者の方々に『どうしたら藤浪は復活できますか?』と聞きまくったことがありました。走り込みやメンタルの改造など、本当に様々な意見を指摘してもらいました。その中で私が『なるほど!』と感心するものもありました。藤浪くんの不調は純粋に技術的な問題で、フォーム改造を行えば、日本球界を代表するピッチャーに復活できるというものです」

 非常に技術的な問題で説明が難しいのだが、その中で1点だけ具体例を挙げれば、藤浪は1本足で立つ時、ボールを持った右腕が背中側に出てしまう。足と並行になっているのが基本中の基本だから、藤浪は実のところ、かなり変則的なフォームで投げているのだ。

「プロ入り前から藤浪くんは今の変則フォームで投げ、勝ち続けてきたのでしょう。修正は並大抵のことではないはずですが、私は投手出身の野球解説者に聞きまくることで、『この人なら修正が可能だろう』と思えるOBに出会いました。ただ、今の日本球界は球団の雇用するコーチが、がっちり選手を囲い込んでいます。藤浪くんの復活を実現するピッチングコーチに巡り会うことができるかは、運も大きく関係するでしょう」(広澤氏)

週刊新潮WEB取材班

2020年9月8日掲載

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