引退宣言した「高岡蒼佑」に未公開映画があった 10月にお披露目の可能性も

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

新選組映画

「そのはずですよ。2~3月にかけて、太秦の東映京都撮影所で時代劇を撮っていましたから。現場には『フラガール』の李相日監督や、阪本順治監督らも訪れて、彼と談笑していたんです。てっきり、『次の作品、お願いします』とか言っているのかと思っていました」

 その作品こそ、福岡芳穂監督の「チェイン―CHAIN(仮)」だという。福岡監督といえば、若松孝二監督に師事した若松プロ出身。そして高岡は、若松監督の「千年の愉楽」(03年)、若松プロを舞台とした青春映画「止められるか、俺たちを」(白石和彌監督)にも出演しており、浅からぬ縁がある。

 事情を知る関係者に聞いた。

「彼がこの作品に起用された経緯は分かりませんが、『チェイン』は福岡監督が教授を務める京都芸術大学(旧称・京都造形芸術大学)の映画学科の学生たちと一緒に撮影しているんです。同大学には、プロの監督のもと、長編映画製作に参加する授業があり、企画から撮影、編集、劇場公開まで2~3年がかりで行っています。この作品が第8弾で、初の時代劇です」

 どんな時代劇なのだろうか。

「今回は、幕末の新選組と、それを離脱した伊東甲子太郎率いる御陵衛士(高台寺党)が七条油小路で抗争を繰り広げた油小路事件を中心に、若き浪士や庶民たちが懸命に生きた姿を描きます。主人公は会津藩脱藩浪士で、大人計画の上川周作さんが演じます。高岡さんは伊東甲子太郎役です」(同・関係者)

 伊東は新選組参謀という要職にありながら、同志14名と共に新選組を離脱し、御陵衛士を名乗った。そのため、新選組は彼らの粛正を図った。まず伊東を暗殺して、油小路の辻に放置。リーダーの遺体を奪還に訪れた御陵衛士たちと新選組が斬り合いとなったのがこの事件だ。つまり、高岡は準主役といっていい重要な役だ。これならば、〈演りきった〉と思ってもおかしくないかもしれない。
 
「彼にとってこの映画が最後の作品だと思いますが、いい芝居をしていました。制作を手伝う学生たちにも熱量がありますから、〈演りきった〉と思えるほど、気合いが入ったかもしれません。これまでの作品も、学生たちの熱量に感化された俳優さんたちも多いですよ。第6弾の『嵐電』で主演した井浦新さんは、リモートで挨拶してくださったり、宣伝にも熱心でした」(同)

 時代劇は、金がかかるとはよく言われるが、

「セットに衣装、カツラ、小道具……普段使わないものばかりですからね。これまで京都造形芸術大学で撮ってきた作品と比べても、予算は多い。ただし、映画会社の作品と比べたら、少ないですよ」(同)

 今年はコロナで公開が延期となっている新選組副長・土方歳三を描いた映画「燃えよ剣」(主演:岡田准一)も控えている。公開がカブると、その差は歴然かも。

「公開は来年としかまだ決まっていません。コロナの影響もありますから、それが落ち着いたころになるのではないでしょうか」(同)

 ずいぶん先の話だ。

「ただ、まだ決定したわけではないのですが、10月31日から京都で開催される『京都ヒストリカ国際映画祭』でお披露目となるかもしれません。もし上映できるなら、高岡さんにも舞台に立っていただけるとありがたいのですが……」(同)

 京都ヒストリカ国際映画祭は、歴史をテーマにした世界で唯一の映画祭だ。事務局に確認すると、

「『チェイン―CHAIN』の上映は、現在、調整中です」

週刊新潮WEB取材班

2020年9月7日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。