文在寅も喜ぶコロナ禍で売上増「韓国ラーメン」…元は日本の会社という皮肉
果たしてレシピの漏洩を防止できるか?
それから2007年、韓国に進出したCoCo壱番屋は2つの壁にぶつかった。
カレーライスといえばオットギの給食風カレーをイメージする韓国で、日本式カレーが受け入れられるのか、そして、レシピの漏洩を防止できるかである。
韓国のCoCo壱番屋はCoCo壱番屋とハウス食品、農心の合弁である。農心はロッテを創業した故重光武雄氏の実弟が創業し、日本を‘ベンチマーク’した商品を数多く手がけている。
日本の中堅食品メーカーに提携を申し入れ、技術を得ると提携を一方的に解消した“前科”も噂されている。
ハウス食品はかつて、かつて農心に製麺技術を提供した経験から、レシピの漏洩を警戒した。そこで、基本のカレールーを日本から輸入し、最終調理を韓国で行うことにした。
日本から輸入すると、コストが上がり値段を高く設定せざるを得なくなる。昭和の給食カレーとの差別化が必須となるが、訪日観光がブームになりはじめていた頃で、日本のCoCo壱番屋を体験した韓国人も現れはじめていた。韓国CoCo壱番屋は、日本式にこだわることにした。
日本でカレーといえば福神漬けだが、韓国は甘いカレーにキムチを添える。飲食店が供するキムチは食べ放題が基本である。
韓国のCoCo壱番屋がスタートした当初、利用客からキムチはないのかというクレームが続出したが、運営を担ったハウス食品の現地責任者は、キムチを出さない方針を貫いた。
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