北島康介が明かす「何も言えねえ」の舞台裏 ジレンマの先に見えた「理想の泳ぎ」(小林信也)
「オリンピックに出たいと本気で憧れを抱いたのは小学校4年、9歳のときです。バルセロナで林享(あきら)さんが100メートル平泳ぎ、予選1番残りで決勝は4番だった。めちゃめちゃ格好良かった」
8年後、高校3年になった北島は憧れの林を日本新記録で破り、シドニー五輪代表の座をつかむ。
「享さんと一緒に出場できたのが大きかったと思います。享さんは僕に負けたくなかっただろうし、僕も負けるつもりはなかった」
初めての五輪で、奇しくも北島は100メートル平泳ぎで4位、あの時の林に並ぶ。...