文大統領のラブコールを中国・北朝鮮はスルー…日米とも距離があり孤立の道へ

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朴槿恵政権は旧宗主国の中国、現宗主国の米国の間で揺れはじめた

 大韓帝国は1910年の日韓併合で消滅し、1945年まで日本が統治した。

 日本がポツダム宣言を受諾すると米国を宗主国とする韓国、旧ソ連を宗主国とする北朝鮮に分裂した。

 ソ連が崩壊して北朝鮮の宗主国はなくなったが、韓国は宗主国である米国に守られながら日本の財布で発展を遂げた。

 韓国の保守政権は米国を宗主国とし、左派政権は中国に歩み寄る。

 盧武鉉左派政権は米韓同盟を見直すと明言し、日本と距離を置いた。

 米国に日本を共通の仮想敵国に規定しようと提案し、日本との関係を重視する米国の不信を買ったのだ。

 当時のニューヨーク・タイムズ紙は「米韓関係は『日本海ほど広がった(as wide as the Sea of Japan)』」と評した。

 盧武鉉後の李明博保守政権は、親米・親日に戻った。政権末期に支持率が低下すると歴代大統領に倣って反日に舵を切ったが、親米路線は変わらなかった。

 朴槿恵政権は親米と反日を掲げ、中国にも歩み寄った。オバマ政権時代、米中関係は比較的良好で、親米と親中を両立できた。

 朴大統領は就任するとまず米国を訪問して告げ口外交をスタートさせ、次に中国に歩み寄った。

 朴政権の末期が近づき、米中二股外交は陰りを見せはじめた。

 中国が尖閣諸島で行っている行動に対して米国が日米安保に基づいて日本に協力すると明言し、また、北朝鮮と中国の関係が深まったのだ。

 朴政権は旧宗主国の中国と現宗主国の米国の間で揺れはじめた。

文在寅左派政権が誕生すると、朝貢外交が復活した

 米国か中国か、安倍首相が決断を求めたが朴政権は選択を保留した。

 2016年、安倍首相が伊勢志摩サミットに朴槿恵大統領を招待した。アジアで開催されるG7は、北朝鮮と中国の軍事的脅威に議題が及ぶ。

 そこで、朴槿恵大統領はアフリカ歴訪を事由に招待を断った。サミットは1年前には決まっている。

 日本は2008年の洞爺湖サミットに李明博大統領を招待しており、朴槿恵大統領を招待することは十分予測できたはずであり、アフリカ歴訪は苦しい言い訳だった。

 二股外交は在韓米軍への高高度防衛ミサイルTHAAD配備が決まると中国が反発して幕を閉じた。THAADミサイルが韓国に到着した17年3月、中国は韓国を見限った。

 文在寅左派政権が誕生すると、朝貢外交が復活した。

 文政権は、前政権が約定し、すでに配備されていたTHAADの撤収は難しいと弁明したが、(1)THAADを追加配備しない、(2)日米ミサイル防衛に入らない、(3)日米韓の安保協力を軍事同盟に発展させないという‘3つのノー’で合意。

 2017年11月に日本海で予定された日米韓の合同軍事演習を拒絶した。

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