文大統領のラブコールを中国・北朝鮮はスルー…日米とも距離があり孤立の道へ

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韓国はトップが変われば約束が反故になる世界でも稀有な国

 韓国国防相が、8月29日にグアムで行われた日米韓3か国の国防相会談を欠席したのは既に報じられた通りだ。これは文在寅大統領が中国の顔色を窺って指示したものだというのが通説になっている。韓国はトップが変われば約束が反故になる世界でも稀有な国で、そのことは中国や北朝鮮も熟知している。失政が続く中、任期を折り返した文大統領は日米中どころか北朝鮮からも相手にされない孤立への道を歩みつつある。

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 いささか旧聞に属するが、今年の5月、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は米国のマーク・エスパー米国防長官に米韓国防相会談を提案している。

 人種差別デモが米国全域で広がり、会談は先送りとなった。

 ひるがえってエスパー長官は、北朝鮮問題や中国問題を話し合うため、日米韓3か国の国防相会談を提案し、日程調整を進めてきた。

 しかし、8月になって韓国側は出席が難しいと伝えたため、エスパー米国防長官と河野太郎防衛大臣が韓国抜きで会談を行った。

 韓国国防部は、新型コロナウイルスと国内公務を理由に日程調整が難しいと説明。

 鄭景斗国防相は、会議に参加すると自宅隔離を余儀なくされ、その後の日程に影響すると理由にならない釈明をした。

 韓国は海外からの入国者は2週間の隔離を義務付けるが、外交官や公務員が公務で海外に出張する場合、事前に手続きを行うと出国時と帰国時のPCR検査だけで隔離は免除される。

 スマートフォンにアプリをダウンロードして自己チェックする「能動監視」で業務を遂行できることになっている。

 実際、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官がドイツに出張した際も能動監視が適用され、隔離が免除された。

 また、韓国が直面している最重要課題は新型コロナ対策だが、国防相には関係ない。

コロナを事由に米国との会議を断った韓国は、一方で中国とは会っている

 加えて鄭景斗国防相は退任することが決まっており、重要な日程は退任整理と離任式くらいしか残っていない。

 韓国国防相が会談を欠席したのは、文在寅政権の方針だという見方が強い。コロナを事由に米国との会議を断った韓国は、一方で中国とは会っている。

 1週間前の8月22日、徐薫(ソ・フン)青瓦台国家安保室長は、釜山を訪問した楊潔篪(ヤン・ジエチー)中国共産党外交担当政治局委員と会談を行った。

 新型コロナ対応における協力体制や両国関係、朝鮮半島情勢、国際情勢などで意見を交換し、習近平国家主席の訪韓も議題に上がったとみられている。

 日米国防相会談では、北朝鮮と中国を議題にした。11月には米国大統領選が控えており、北朝鮮と中国が行動を起こす懸念がある。

 北朝鮮の大量破壊兵器と弾道ミサイルの廃棄、中国による周辺国での不謹慎な活動。これらに日米が一体となって対応することを再確認した。

 米国が東アジアで主導する国防相会談は北朝鮮と中国がテーマとなる。

 中国の顔色を窺って韓国が欠席したと、一部メディアは批判している。

 中国におもねる文在寅政権だが、韓国は属国のDNAが染み込んでいる。

 朝鮮半島は19世紀後半まで中国の属国だった。14世紀に半島を統一した李氏王朝は国号を決める際、明にお伺いを立てた。

 李氏王朝は、「朝鮮」と「和寧」の2つを提示し、明の洪武帝が選んだ「朝鮮」を国号とした。

 朝鮮は平壌付近の古名で、和寧は李氏朝鮮の初代国王となった李成桂の出身地に因んだ名だ。

 国号を他国に決めてもらう行為は属国そのものでしかない。

 19世紀の終わり頃、朝鮮は清国の属国体制を維持したい守旧派(事大党)と日本を宗主国として近代化を進めたい開化派(独立党)に分裂した。

 日清戦争で日本が勝利すると、朝鮮は日本を宗主国に選び、国号を大韓帝国に改名した。

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