菅政権の仕掛け人、81歳「二階俊博」が幹事長を絶対手放さない“家庭の事情”
長男落選の衝撃
二階幹事長の長男は2016年、和歌山県の御坊市長選に立候補した。父の選挙区は和歌山3区で、御坊市も含まれている。
まさに“父のお膝元”だ。6選を果たしていた現職も、そもそも二階幹事長が政界にスカウトした人物だ。4回も無投票当選を果たしていることにも、圧倒的な「二階王国」の姿が浮かび上がる。
ところが長男が出馬を決め、それを受けて現職も7選への挑戦を発表した。「二階王国」の分裂選挙と大きな話題になり、おまけに市長選の結果は長男の敗北で終わった。
現職が約9300票を集めたのに対し、長男は約5800票に留まった。おまけに長男は小泉進次郎・環境相(39)の応援など、国政選挙なみのバックアップを受けながら、現職を倒すことはできなかった。
「これで長男が後継者として国政に出馬する可能性は低くなったと言われています。二階さんには次男と三男の2人が後継者候補として残っていますが、次男は2018年、元暴力団幹部と共謀して会社の乗っ取りを企んだと報じられました。この報道がどれほど影響を与えたのかは分かりませんが、全日空に勤務していた三男は今、二階さんの秘書をしています。三男後継が現実的と見られているようです」(同)
二階俊博VS.世耕弘成
二階陣営にとって、「たかが御坊市長選」と強がることもできない理由がある。世耕弘成・自民党参院幹事長(57)の動向がそれだ。
「実は旧和歌山2区は、世耕さんの祖父である世耕弘一・衆議院議員(1893~1965)の地盤でした。伯父である世耕政隆氏(1923~1998)も1度当選しましたが、次の選挙で落選。そのため参院に転じて5期連続当選を果たしました。この伯父の死去に伴い、1998年、世耕さんは参院に立候補、当選を重ねて現在に至っています。しかしながら世耕さんの本音は、『祖父と同じように衆議院議員として活躍できるよう鞍替えしたい』なのです」(同)
実のところ、世耕参院幹事長と二階幹事長がガチンコで戦えば、世耕幹事長が勝利すると報じたマスコミもある。
もちろん仮定の話であるわけだが、二階幹事長が引退した後、参院から鞍替えした世耕氏と新人の三男が戦うというケースはあり得る。
世耕氏の知名度を考えただけでも、二階サイドの焦りが簡単に想像できるというものだ。
「世耕さんの衆院鞍替えを封じ込み、息子さんへの地盤継承をスムーズに進めるためには、権力が必要です。二階さんからすると、ご自身にいくら権力が集中しても、集中し過ぎるということはありません。菅首相の後見人として党内と国会に君臨しなければ、世耕さんに攻め込まれるという危機感を持っているのです。そして三男を自民党公認で出馬させることに全力を注ぐでしょう」(同)
[3/3ページ]