「朝鮮よりはるか下の日本に…」侮蔑感を利用してきた韓国歴代政権の罪
教育を含め、メディアの扇動と歪曲によって一方的に注入された記憶
古事記、日本書紀における神功皇后の三韓征伐、任那日本府などの記述について。これは、中国とは対等で、百済・新羅など朝鮮半島の諸国は藩国としたという、古代日本の世界観を如実に表している。
それは平安時代以来、日本人が持っていた対朝鮮認識の根幹であり、豊臣秀吉の朝鮮侵攻当時の、彼らの朝鮮観の背景でもあった。
また、近代の征韓論や植民支配当時の「日鮮同祖論」の歴史的・思想的淵源でもある。
つまり、日本の対朝鮮認識は、中世の神道学、近世の国学、そして近代の昭和ファシズムといった狂気の時代を経て、定説化された。
このように、日韓両国の歴史認識の違いは、単に近代史に限ったことではない。
そして日韓両国の史家たちは、この問題をめぐって、極端に対立している。みな自国中心の歴史観を固守しつつ、一歩の譲り合いもない。
私は、日韓両国が共同の歴史を共有し、認識すること以上に、異なる歴史とその認識を、そのまま露出させるのも悪くないと思う。
同じではないのに、同じであることを見出すために努力するより、違うことを認めてそれを理解することこそ、和解の前提条件ではなかろうか。
そして、歴史は研究の対象であって、政治家たちの活用の対象になってはならない。
現在、韓国人が抱いている日本に対する憎悪や敵対の感情は、大体、仮想記憶に基づいたものである。
2020年、現代を生きている韓国人に日本植民統治の記憶は、まったくない。
彼らの日本に対する悪感情は、1945年以降、教育を含めた各種のメディアの扇動と歪曲によって一方的に注入された、架空の記憶だ。
朝鮮よりはるか下だった日本にやられたという、根拠のない優越感からくる被侮蔑感をつのらせながら。そして、歴代政権は、多かれ少なかれ、みなこの感情を政治に利用してきた。
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