日韓ファーストレディーについて…「内助の女王VS家庭内野党」
きっかけはアラン・ドロン、1男1女、「内助の女王」
徴用工や慰安婦問題をめぐる対立により日韓関係は過去最悪の状態にある。そんななか安倍晋三首相(65)は政権を去り、残り2年の任期を切った文在寅大統領(67)は新しい首相と対峙することになる。他方、ファーストレディに目を転じると、韓国のファーストレディー・金正淑(キム·ジョンスク)夫人(65)と大統領は、大学時代に出会って交際をスタートしてゴールインした。一方、安倍昭恵夫人(58)と首相の仲は悪くないものの、夫人は「家庭内野党」を公言するなど、耳目を集めてきた。そんなふたりの「日韓ファーストレディ考」である。
文大統領夫妻は慶熙(キョンヒ)大学の先輩·後輩であり、大学時代から7年間の交際を経て結婚に至った。
子供に恵まれず、昭恵夫人自身が不妊治療を受けたことを告白している安倍夫妻に対し、文大統領夫婦には1男1女の子供があり、いずれも結婚して夫妻には孫もいる。
金正淑が文在寅と知り合ったのは、大学の2年先輩から「アラン・ドロンに似たかっこいい同期がいるから会ってみないか」と紹介されたことによる。
しかしながら、待ち合わせ場所に現れた文在寅は野暮なスタイルでアラン・ドロンとは程遠く、金正淑との距離を縮めることもなく、挨拶程度の仲に留まっていた。
それが恋に変わったのは、デモをしていた文在寅が催涙弾にやられたのを手当てしたのがきっかけだ。
金夫人はテレビに出演した際、「夫は私が手当てしたことが印象に残っていたようだが、今思い返すと、私のことが最初から好きだったんだな」と回想している。
その後、文在寅が兵役に行っている間も面会に行き、司法試験の準備をしているときも時々面会に行くぐらいで、まともなデートはほとんどしなかった。
女性から結婚を迫るのは非常に珍しいケースだった
文在寅との交際を金夫人の親は反対していた。それでも、1981年に文在寅が司法試験に合格すると結婚を許してもらい、司法研修生時代に結婚した。
ところで、ふたりが結婚に至るプロポーズがユニークだ。
長年交際を続けていたものの、文在寅の煮え切らない態度に業を煮やした金夫人が先に「在寅、私と結婚するの、しないの? はっきりしてよ」と迫ると「わかった」と文在寅が答えたことで、結婚の意思を固めたのだという。
見合い、あるいは男性から女性に告白するのが当たり前だった時代、女性から結婚を迫るのは非常に珍しいケースだった。
大統領夫人になった後も、夫妻の仲のよさは国民みなが知るところだ。
どちらかといえば口数が少なく無愛想な印象の文在寅だが、金夫人のこととなると目を細めて、夫人の積極的な態度に助けられると共に、癒やされているという話が側近から伝わっている。
2017年の中国歴訪期間中、習近平主席との首脳会談を前に文在寅は緊張していた。
会談を無事に終え、ホテルに戻って部屋の階のエレベーターのドアが開くやいなや金夫人が駆けつけ、「本当にお疲れ様でした」と文大統領の肩と背中を撫でたという。
大統領専用機のタラップを降りるときも積極的に腕を組んでくるのは金夫人の方。文在寅は最初照れていたが、金夫人のざっくばらんで豪放な性格はマスコミにも好意的に受け入れられている。
[1/2ページ]