「帳簿」から垣間見える「遊廓」の日常 「延長サービス」も細目にわたって記録
500箇所の「遊廓」を訪ね、10年にわたって調査、撮影
家庭でも会社でも、お金の出入りを記録することは大事なこと。「遊廓」でもそれは同じだった。
「大福帳」と表書きされた和紙の束を見せてくれたのは、全国の元遊廓を撮影している渡辺豪さんだ。この10年にわたって北海道から沖縄まで500箇所を訪ね、このほど写真集『遊廓』を刊行した。
昭和33年の売春防止法施行から六十数年が経ち、かつての遊廓の建物の多くはすでに取り壊されてしまった。わずかに残る姿でも記録として残したいと、カメラを携えて元遊廓を訪ね歩くなかで、とある元娼家が所有していた貴重な「大福帳」を譲り受けた。...