謝罪・賠償を求める「韓国」…セクハラ外交官の件では頭を下げない矛盾
処分はしたのに、相手国の主張を完全無視
日本に謝罪と賠償を要求する韓国だが、韓国の外交官が17年11月にニュージーランドで起こしたセクハラ事件で、ニュージーランドと被害者に謝罪していないことが明らかになった。韓国の康京和外交部長官が、国の格と主権を守るといって謝罪を拒絶し、ニュージーランドとの関係悪化を危惧する声が上がっている。
今年7月28日、文在寅大統領はニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相と電話会談を行った。
その際、アーダーン首相がセクハラ事件を話題に出したことを契機に、韓国外交部が被害者に謝罪していなかったことが判明。文政権と康長官は国会や市民団体から批判を浴びているのだ。
2017年12月、駐ニュージーランド韓国大使館に勤務していたニュージーランド人職員が、公使参事官からセクハラを受けたと訴えた。
同年11月、参事官がコンピューターを見てほしいといって職員を事務室に呼び、参事官が職員の尻を触りながら韓国ではこういうことをするとセクハラになると話したという。
被害者は大使館のエレベーターの中で参事官に股間を触られたなど、少なくとも3回のセクハラを受けたと訴えた。
韓国外交部が行った調査で、参事官は接触した事実を認めながらもセクハラの意図はなかったとしてセクハラ疑惑を否認した。
外交部は参事官をフィリピン大使館に異動させ、その後、再調査を行って2019年2月に減給1か月の処分を下したが、ニュージーランドや被害者には謝罪をせず一方的に事件を終わらせた。
事実関係が確認できたからこそ、加害者を処分したはずでは?
セクハラ事件は電話会談の議題に入っていなかった。首脳会談は事前にテーマを交換し、会談前にブリーフィングを行うケースが一般的だ。7月28日の電話会談の主なテーマは、新型コロナとWTO事務局長選である。
アーダーン首相が韓国のコロナ対応から多くを学んだと述べると、文大統領は、ソウルに本部を置く新型コロナウイルスのワクチン開発と普及を目指す国際ワクチン研究所(IVI)への協力を求めた。
続いて、世界貿易機関(WTO)事務局長選に出馬した産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長への支持を要請した。
予定されていた議題を終えたところで、アーダーン首相は駐ニュージーランド韓国大使館のセクハラ事件を話題にした。
首相が話した内容は公開されていないが、文大統領にとって思いもよらないテーマだったようだ。
大統領が恥をかいたとして青瓦台から叱責を受けた康京和外交部長官は、文大統領に謝罪し、謝罪声明文を公にしたが、それは韓国国民に向けた謝罪文で、ニュージーランドと被害者に対する謝罪は一切なかった。
国会外交通商委員会でニュージーランドや被害者に対して謝罪をするべきだという指摘がなされると、康京和長官は、事実関係を把握し、被害者が陳述した内容の信憑性を確認しなければならないと答えて被害者への謝罪を拒んだ。
さらに、韓国の格と主権を守るため、相手国への謝罪は簡単にはできないとも答弁したのだが‥…。
そもそも事実関係が確認できたからこそ、加害者を処分したはずではなかったのか。
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