女子ゴルフ「笹生優花」19歳で優勝 記者も舌を巻く驚愕の「飛ばし屋」

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「とてつもないルーキーが現れました。これからいくつ白星を積み重ねるやら」

 とツアー記者がなかば呆れ気味に語るのは、今季女子ツアー第2戦「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」(優勝賞金1440万円)を制した笹生(さそう)優花(19)である。ツアー2戦目での初Vは、21世紀生まれ初のV。前日まで首位タイだった同期の西郷真央(18)と後藤未有(19)を抜き去り、最終的に2位となった若林舞衣子(32)、藤田さいき(34)らベテラン勢の追随を許さない、堂々たるものだった。

「足腰がしっかりしていて、フォームも美しい。武器はドライバーで、飛距離が図抜けている。開幕戦のドライビングディスタンスも全選手中トップでした。しかも、曲がらないんです」

 最終日16番ロングホールは圧巻だった。

「グリーン手前にクリークがあるので、よほど飛ばさない限り2オン狙いはリスキーになります」

 だが笹生は、ティーショットを283ヤード飛ばし、残り195ヤードの第2打は6番アイアンを握った。2オン狙いというよりピン狙いである。そしてそれをピン2メートルにつけ、悠々とイーグルにしてみせたのだ。

 このホール以外でも、二つのロングホールで2オンに成功しバーディーを奪った笹生は、63のコースレコードで2位に4打差つけてのフィニッシュだった。

 日本人の父とフィリピン人の母を持つ笹生は5カ国語を操り、白人キャディとも英語で会話を交わす。

「昨年、日本のプロテストと並行して、米ツアーのテストも受けていたのですが、こちらは不合格。しかし、ゆくゆくは米ツアーで勝負したいと公言しています。日本選手が米ツアーに行くと飛距離に悩まされますが、彼女にはその心配がない」

 夢への一歩。

週刊新潮 2020年8月27日号掲載

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