韓国の知識人を“抹殺”する「親日あぶり出し・魔女狩り法」と「国民の情緒」優先社会
勤務先のソウル大学には罷免要求、謝罪に追い込まれた教授
この過程で、宋議員は李氏が言ってもいないのに、「じゃ、慰安婦のお婆さんたちは公娼なのか」と、興奮を抑えきれずに言ったのだ。これが世論を刺激し、慰安婦支援運動を展開してきた挺対協と左派言論が加勢し、李氏を「親日売国奴」と決めつけ、ソウル大学は李氏を罷免しろという声明を出した。また、李氏の研究室には卵が飛んでくるなど、人々の抗議が殺到した。結局この事件は、李教授が慰安婦のお婆さんたちが生活するナヌムの家を訪れ、彼女らに跪いて謝罪するまで終わらなかった。
そして、去る7月7日、李氏は『反日種族主義』の代表著者として、日本強制徴用・慰安婦被害者遺族らによって、名誉毀損と国家保安法違反などの容疑で、ソウル中央地検に告訴された。この告訴・告発の背後には、政権与党の宋永吉議員がいる。宋議員は先日、畑仕事の途中、北朝鮮の童謡をくちずさんだことで問題になった、与党内でも代表的な親北朝鮮の人物だ。
韓国政府や歴史学者たちは、歴史的事実を歪曲したり、嘘をついたりしてまで日帝を批判することが、正しい歴史教育だと錯覚しているようだ。韓国人の日本による植民地支配時代に対する認識は、このような嘘と歪曲により、「起―承―転―収奪」と脳裏に刻まれている。つまり、日本は植民地の収奪を目的に韓国を侵略・強占し、その後は、収奪のレベルをはるかに超えて、世界の植民政策史上、その類を見ない「民族抹殺」政策を敢行したというのが韓国歴史学界の通説であり、一般国民の通念なのである。
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