韓国の知識人を“抹殺”する「親日あぶり出し・魔女狩り法」と「国民の情緒」優先社会
日韓併合110年で振り返る…日本だけをターゲットにしてきた歴史認識
「地球上で、韓国人ほど歴史と政治に関心の高い民族も多分いないだろう。関心ばかり高くてあまり勉強をしないのもまた、この国の人々の特徴でもある」と指摘するのは、日韓関係史を専門とする評論家の李東原(イ・ドンウォン)氏。韓国人は3人集まれば政治と歴史について語りあうとし、「政治はともかく、歴史問題については、ごく少数の場合を除いて互いに異見がないことに満足し、これをもって同じ民族であることを確認する。それが日本に関することなら、なおさらだ」という。
日韓併合110年の機をとらえて、国民の情緒が優先されるかの国のメンタリティに関する論考。
日本と関連した歴史の話は、主に日本の植民統治時代が主な対象となるが、このような話は最後まで聞く必要もない。話は決まって、日本は世の中で最も邪悪で非人間的な集団であると罵倒し、当時の韓国人たちは何の過ちも罪もない、善良な民族だったということに帰結する。
そのような韓国人の歴史観は、しばしば今の日本に対する見方にも大きな影響を及ぼす。過去、帝国主義時代に行った数々の悪行を反省しない日本、徴用工、従軍慰安婦のような非人道的な悪行を謝罪しない日本、そして憲法9条に対する改憲を通じ、虎視眈々と再武装を狙う日本……という確証バイアス的な考え方は、ますます強固なものとなる。
もし、このような通念に異議を唱えたり、韓国社会の支配的な歴史認識とは異なる見解を主張すれば、どれだけ非難を浴びるかは想像に難くない。多様性の認定を基本とする自由民主主義国家のはずの韓国で、歴史認識においてばかりは、まったく全体主義的思考を強要する。そして、その対象は、いつも日本だけに限られている。不思議な国だ。
韓国には、いかなる憲法や法律、命令よりも最優先する上位法が二つある。「国民情緒法」と「民族感情法」がそれである。もちろん、そんな法律は実在しない。国民の放埓な感情が実際の法律を凌駕してしまうことのたとえなのだが、この“法”に一度触れると、理由の如何を問わず、この国で生きていくのは、並大抵のことではない。同法は、主に有名芸能人の兵役問題や日本植民統治を肯定する学者に対して発動される。
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