「反日種族主義」の李宇衍氏インタビュー、「市民は政府の反日政策にうんざり」
教師らによる偏向歴史教育の影響を受けた生徒が反日デモに参加
しかしながら以前とは違い、大統領が反日を通じて支持を訴えても、扇動に乗らない人々も増え始めている。
政権末期の李明博大統領が竹島に上陸しても、問題の本質を知る韓国国民はほとんどいなかった。
だが、今は違う。現政権が北朝鮮の核問題を庇うような虚偽扇動を行っていることに国民はうんざりしている。政府の反日政策も然りで、額面通りに信じなくなっている。『反日種族主義』が韓国で10万部以上売れたのも、現政権に対する不満の反証と国民の意識の変化だといえる。
――最近になって慰安婦をサポートしてきた正義連による反日デモ「水曜集会」が迷走しています。
正義連が会計問題で不正を指摘され、前身である挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)にまで疑惑は遡って批判されている。
韓国人には、一度信じれば全てを信じ、一度疑うと徹底して疑うという気質がある。不正が明るみになったことで、慰安婦たちが本当に強制的に連行されたのかと懐疑的になっている者も少なくない。影響力のあるオピニオンリーダーがきちんと説明すれば、多くの国民も納得すると思う。
――若い韓国人が反日集会に動員される理由については、どのように捉えていますか。
全教組(全国教職員労働組合)など進歩的教師らによる偏向歴史教育の影響が大きく、影響を受けた生徒が水曜集会に参加している。
反日教育の歴史はすでに30年余りになり、当時の大学生が40~50代になり、反日教育を受けた世代に、反日の再教育が受け継がれている。
――徴用工問題を拡散する動きがあります。
徴用工は男性、慰安婦は女性である。日本から弾圧され、抑圧されたのは男女の別はないはずだが、このように男女別のストーリーにしたのは、新たな反日戦略によるものだ。
元慰安婦のハルモニたちはいずれ全員亡くなる。慰安婦問題を徴用問題&労務動員問題へ、つまり、反日戦略を発展させる必要があったのだ。
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