「山尾志桜里」党も選挙区も定まらず 地元からは敬遠、東京での出馬にも暗雲

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 かつて“民進党のジャンヌ・ダルク”と呼ばれたこの人の真意を測りかね、周囲は困惑するばかりだ。山尾志桜里衆院議員(46)が地元の愛知7区を追われ、東京での出馬が囁かれているのだが……。

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 騒動の発端は立憲民主党を離党していた山尾氏が7月8日、国民民主党へ入党が認められたことだった。

 政治部記者によれば、

「山尾さんは国民代表である玉木雄一郎さんとは同じ東大出身で昔から親しい間柄。玉木さんの方が5歳年上ですが、“玉木クン”と呼んでいて、彼の引きで入党したと言われています」

 ところが、この入党に猛反発したのが、国民民主党の愛知県連だった。不倫報道や全く地元に帰らない山尾氏の姿勢を問題視。東京の選挙区へ“国替え”を余儀なくされそうなのだ。

「菅直人さんの武蔵野の選挙区の他、八王子を地盤とする萩生田光一文科相の選挙区が候補として挙がっています。というのも、菅さんのところは彼女が育った地、萩生田さんの東京24区は野党候補者がまだ決まっていない都内でも珍しい選挙区。しかし、山本太郎さん率いるれいわ新選組も都内で10人近い候補者を擁立予定で、当然、萩生田さんの選挙区にも候補を立てるべく狙っています」(同)

 萩生田選挙区で山尾と太郎の鍔迫り合いにもなりかねないが、そうこうするうち、国民民主党と立憲民主党の合流協議が進んでいる。

“憲法オタク”

「玉木さんはこの合流に後ろ向きですが、国民の幹部は玉木さんを見限って勝手に協議を進めているような状況です。山尾さんは立憲を出て行った身だから、さすがに新党に参加はできないし、参加したとしても、易々と萩生田さんの選挙区は割り当ててもらえないでしょう」(国民民主党関係者)

 すると、7月に愛知7区の日進市で山尾氏が憲法集会を開く、と自身のSNSで告知。8月8日、市民会館で「コロナと憲法」と題して開かれるとか。

「集会を開くとは全く聞かされていませんでした」

 と、日進市議のひとりが当惑して言う。

「この2年はほとんど地元で見ていません。支援してきた人たちの多くが怒っているのに、全く連絡もないなんて呆れるばかりです」

 別の元支援者は、

「前回選挙後、本人は“愛知7区は故郷。絶対に離れません”と言っていたのに……」

 先の関係者が補足する。

「彼女は“地元に帰らない新しい議員のあり方”を模索していたそう。ただ、次は国民民主党で出るにしろ、東京の選挙区では当選は難しい。そこへ合流協議も加わった。だから愛知なのか、と地元の人は訝しんでいます」

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が指摘する。

「彼女を一言で言えば、“憲法オタク”。自分の興味にばかり目が向き、地元や有権者との対話を疎かにしてきた。党も選挙区も定まらないのは当然です」

 コロナのため、直前になって集会はオンラインで開催することになったという。

週刊新潮 2020年8月13・20日号掲載

ワイド特集「コロナ禍の女」より

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