韓国最高の感染症専門家いわく「K防疫は失敗」、コロナ再拡散を政争の具にする文政権
不動産政策に反発する人々は「買う時も罰金、売る時も罰金」と
前ソウル市長の葬儀について税金を使って執り行う“市葬”、全国民を旅行に誘導するキャンペーン……。「K防疫」成功にあぐらをかいていた、文在寅大統領に迫りつつあるコロナ再拡散。反政権デモに関しては政争の具として利用しまくる文政権は、国民の支持を得ることはできるのだろうか。
韓国の独立記念日である8月15日、青瓦台を目前に広がる光化門広場では2万人(主催側発表)が集結した反政府集会が開催されていた。
史上最長の梅雨が続いている韓国では、同日、ソウル全域に300ミリ以上の降水量が予報され、朝から強い雨が降っていたが、実に多くの人たちが〝様々な理由〟で光化門に集結し、各自のスローガンを叫びながら文在寅政権の退陣を主張した。
例えば、文在寅政権の不動産政策に反発する人々は「買う時も罰金、売る時も罰金」といったプラカードを掲げ、光化門のど真ん中で、文在寅大統領に向かって靴を投げるパフォーマンスを行っていた。
慶尚南道で障がいのある子どもを育てているという40代の女性は、文在寅政権の「不動産規制遡及適用」のせいで数千万ウォンの契約金を失う危機に直面していると憤りをぶちまけた。子供のため、ソウルにある大学病院に頻繁に足を運ばなければならなかった彼女は、ソウルに住むため、昨年末、ソウルのマンション分譲権を手にした。当時、残金の70%を銀行が融資してくれるという触れ込みで契約金を支払ったが、文在寅政権が不動産に対する銀行の融資を過去にさかのぼって規制すると発表したため、銀行融資が途中でストップしてしまったのだ。
女性は「融資が可能だという銀行の話を聞き、なけなしの貯金から契約金を支払ったが、政府が銀行融資を止めてしまったため、解約せざるを得なくなり、契約金だけが没収される羽目になった。黙っていたら香港のようになるかもしれないと思い、集会に参加するため田舎からやってきた」と主張した。
「韓国はお前のものではない」「文在寅は降りろ」などと書かれたカード
また、集会では、仁川国際空港を運営する公団の非正規社員を正社員に転換するという労働政策について文在寅政権を非難するスローガンも登場した。
3年前、文大統領が空港を直接訪問し、非正規職をゼロにすると約束。今年6月には空港が非正規職員1900人余りを正社員として直雇用すると発表したが、これに対して若者たちが強く反発した。彼らは文在寅政権の無責任な労働政策が、むしろ公正と平等の価値を毀損していると主張した。仁川空港の正社員労組は6月から毎週土曜日、光化門のそばにある清渓広場で正規職転換反対のための集会を続けている。最近は仁川空港の正社員職転換過程で解雇された47人の非正規職者も「拙速な直雇用転換を撤廃せよ」と叫びながら剃髪するパフォーマンスを行うなど、過激化の一途をたどっている。
〝反政権デモ〟で主張されたのはそれだけではない。
4月15日に行われた国会議員総選挙で不正が働いたとして再調査を求める人もいた。彼らは、中央選挙管理委員会が事前投票の結果を捏造して、「共に民主党」の議席を40席以上増やしたと主張し、総選挙直後からデモを続けてきた。文在寅政権の検察改革を主導している秋美愛(チュ・ミエ)法務長官を弾劾せよとの主張や、文在寅大統領を弾劾せよという主張もあちこちで目についた。彼らは「韓国はお前のものではない」「文在寅は降りろ」などと書かれたカードを持って青瓦台に向かって行進し、バリケードを張った警察と対立するなど、一触即発の騒動が起こったのだ。
日本の終戦記念日である8月15日は、韓国では日本の植民地から独立した民族の祝日となる。35年間の暗黒のような植民地支配から解放され、再び光を取り戻したという意味で「光復節」と呼ぶ。そんな光復節に、全国から集まった韓国人がソウルのど真ん中で、文在寅政権退陣を叫んだのだから意味深長である。
しかし、この大規模な集会は、折からのコロナ再拡散の兆しと相まって、韓国国民から厳しい非難を浴びせられることになった。
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