ワインの「価格に騙されない」選び方、夏にガブガブ飲みたい「ロゼ」のお薦め

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価格が美味しさを保証してくれない飲み物

 それがワインといえばワイン。なので幸か不幸か、ワインは価格が必ずしも美味しさを保証してくれない飲み物なのです。というわけで、高いワインを買ったり飲んだりしても残念な結果となる可能性は大いにある。いろいろとその理由はあると思います。高いだけのワインもありますし。そもそも美味しさというもの自体が極めて主観的なもの。

 自分自身の好みに合わないワインだったというケースも考えられます。ただご安心を。経験とともに好みの幅は広がっていきます。残念ではありますが、次に繋がる失敗です。失敗を重ねて自分の好みのワインがどういうものなのかが分かってきますし、いろいろなタイプのワインを許容し、その個性を楽しめるようにもなっていくのです。

 ワインはお酒の中でも、特に味わいや香りの多様性に富んだ飲み物です。味わいのグローバル・スタンダード化が進む現在では、醸造技術や設備の進化からある程度、似通った味わいのワインが多く流通しています。一方で、その土地に由来する独特の個性やあまりに強烈な特徴を持つ葡萄から造られた風変わりなワインも決して多くはありませんが、存在しています。

 そういうワインに初めて出合った場合、知らず知らずのうちに拒絶し心を閉ざしてしまうこともあります。強い個性にいきなりガツンとハートを鷲掴みにされたという人もいるかもしれませんが、誰しも経験したことのない香りや味わいだと面食らうことはある。そのため、そのワインならではの特徴を楽しめないということは結構起こりうるのです。逆にその経験が次に繋がり、その強いクセがたまらなく好きになってしまうなんてこともよくあります。

 次に考えられるのは、そのワインが飲み頃ではなかったというパターン。カジュアルな価格のワインでは飲み頃など気にせずとも美味しく飲める場合が多いのですが、高価でワイン自体のポテンシャルが高いと、飲み頃になっていないと味わいも香りも物足りなく感じられる場合があります。

 2000年代に入り、フランスワインの造り手は「早飲み」を意識して造る傾向が強まっていますが、それでも数年あるいは10年以上待たなければ真価を発揮してくれないワインもある。実に厄介です。せっかくいつもより奮発したのに美味しくないなんて、ワインってヒドイ飲み物でしょ。結構、裏切るんです。でもやめられない。ついついまた奮発しちゃってる。不思議なものです。

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