ワインの「価格に騙されない」選び方、夏にガブガブ飲みたい「ロゼ」のお薦め

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ブルゴーニュはここ20年で畑の価格自体が高騰しているが

 多くの人の思いとは裏腹に自由を謳歌できる夏は来そうにない。そして、相変わらずやり玉に挙げられる夜の外食。まだまだ家飲み中心の生活は続く……というわけで今回もまた、美味しいワインに出合える精度を上げるコツとこの時期にチャレンジして欲しいワインを。銀座のワインバー店主・幅紀長がお伝えする。

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 今回お伝えしたいのは「価格に騙されない」ということです。ワインの価格を決める要素はいくつかあります。当然ですが、生産全般に関わるコストが高ければ元々の蔵出し価格は高くなります。化学薬品に頼らず自然を尊重した栽培・醸造をするために丁寧な作業をし、手間暇をかければ人件費も高くなる。

 さらにブルゴーニュに関しては、ここ20年で畑の価格自体が高騰しているということがワインの価格に非常に大きな影響を与えています。つまり、生産者は相続税対策で値上げせざるを得ない状況となっているのです。また近年の気候変動の影響もありますね。霜や雹が以前とは桁違いの被害をもたらし、生産量の大幅減少からの値上げもある。

 そうは言っても、価格決定に最も影響を与えているのは需要と供給の関係なんですよね。プレミアなしにその価格はあり得ないというワインがわんさかあります。世界中の多くの人が手に入れたがっているワインは、値上がりし続けても買う人がいる。なぜそこまでして人が手に入れたいのかといえば、だいたいがそこにストーリーがあるから。

 飲んでみたい手に入れたいと思わせるストーリーや、そのワインや造り手の価値を物語る逸話。そういうものがあるワインは高くなります。真の価値を有するものも一部にはありますが、高額ワインの大部分がそんなもんです。

 中にはそれらのワインができる「隣の畑」で作られた葡萄を使っているということで、付加価値が付けられたものも存在します。隣じゃダメなんですか?  はい 隣じゃダメなんです。これなんて完全に販売側の戦略です。

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