組が解散したら金は? 出世は? 「神戸山口組の乱」平定でヤキモキな長期服役者

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山口組を割って出て生き残った組は過去にありませんから

「組が割れてもうて、親が割って出た方におったら基本的に『ナントカ祝い』いうんはないですよ。そもそも、山口組を割って出て生き残った組は過去にありませんからね。これはちょっと違う例やけど、1997年に宅見若頭が射殺された時にヒットマンは4人おって、そのうちの1人が20年の刑期を終えて今年の5月に出所したことが報じられましたね」

「その元ヒットマンAは当時、中野会に所属しとったわけですが組はもうありません。で、出迎えたのは神戸山口組系池田組(その後、独立組織としての活動を選択)に在籍するAの養子に当たる人物やったと。神戸山口組の副組長は、2代目宅見組の組長やからややこしいわけですが。ただ、元ヒットマンAは池田組に行くのかというとそうでもなくて、本人はカタギになったということのようです」

 ヤクザは暴排によって、賃貸物件等に入居できず、銀行口座を開設できず、銀行から融資を受けられず、生命保険に入れず、レジャー施設や宿泊施設で入場を制限される。

 組のために身体を張っても元の地位から一気に偉くなることはままならず、何なら組ごとなくなっていて骨すら拾ってもらえないのではという状況で、組事として抗争を仕掛けるのは考えればそれだけ割に合わないように映る。それでも去る8月15日夜、岩国の神戸山口組系の暴力団幹部が6代目山口組を名乗る男から発砲されている。

「ハジかれ(発砲され)た組の方は神戸山口組を抜けることになったようです。まあ割に合わないっていうのはその通りなんですが、それを考えないのがヤクザで、親の空気を読むということなんでしょうね」

週刊新潮WEB取材班

2020年8月21日掲載

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