「血液」「尿」1滴で「がん検査」が可能に 最新検査を受けてみた

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本誌50代記者が体験

 今回は、実際に50代前半の本誌男性記者が検査を体験。なんと都内の医療機関はすでに先々まで予約が埋まっていたため、大阪のクリニックで「N―NOSE」が含まれる人間ドックを受診することにした。料金は税込9万3500円である。

 採尿にあたって、前日は飲酒禁止。当日も空腹の状態で、検査精度を高めるため、出始めと終わりは採らずに「中間尿」を150ccほど採取し、提出する。検査結果は他の項目とともに約4週間で送付されてきた。

 その報告書には、

〈がんリスクは検出されませんでした〉

 とあったのだが、一方で記者の判定は「リスク低」から「リスク高」へ続く「青」「黄」「赤」のベルトのうち「黄」のゾーンに位置していた。合わせて判定コメントには、

〈線虫が何らかの反応(がんの臭いの方に移動)を示しましたので経過観察が必要です〉

 そう記されていたのだった。広津代表に尋ねると、

「数値が黄色の中心より右側に位置すると『リスクあり』の判定となります」

 とのことで、記者はその位置には達しておらず、まずはひと安心。それでも、

「今後も定期的にがん検診を受け、健康状態に留意されることをお勧めします」

 N―NOSEの感度は平均86%を超え、ステージ0や1といった早期がん発見にも有効。HIROTSUバイオサイエンス社では現在、部位別のがん発見に取り組んでいるという。

「線虫の嗅覚の受容体は約1200個。遺伝子の組み換えによって、特定の匂いにだけ反応しない線虫を作ることができます。同じがん患者の尿でも、部位によって尿の匂いが異なるとも言われています。22年をめどに現在、膵臓がんの早期発見の判定ができる線虫を開発しているところです」

 先ごろ同社は、一部手作業で行ってきた検査工程を、解析装置の導入によって完全自動化。年間100万件の検体解析を目指すという。痛みも煩わしさもない検査が、ますます身近になるわけである。

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