ドトールは「コーヒーレモネードソーダ」を発売 今夏の“変わりダネコーヒー”事情

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背景にコンビニコーヒー?

 なぜ、各社ともこうした変わったコーヒーを売り出すのだろう。ヒントになりそうなのが、カフェやチルド系コーヒーを脅かす「コンビニコーヒー」の存在だ。

 2013年にセブン-イレブンが参入したことで、一気に浸透したコンビニコーヒー。1杯100円から飲める手軽さが最大の武器である。東洋経済オンラインの記事「平成のカフェ『コンビニが2割』に台頭した事情」(19年3月27日)によると、その市場規模は推計2000億円で、じつに喫茶市場の2割に及ぶ規模だという。

 また、流通ジャーナリストの梅澤聡氏は著書の中で〈毎日のようにコンビニコーヒーを飲み続けると、レギュラーコーヒーが味のベースとなり、今度はコンビニチェーン同士の競合か、いよいよコーヒーチェーンとの戦いになる〉と“予言”している(『コンビニチェーン進化史』 イースト新書より)。いわゆる“普通の”コーヒーの需要がコンビニコーヒーにとって代わられつつある現在、既存のコーヒーチェーンやチルド系商品が、新たな活路を見出している可能性がある、と先の清水氏は指摘する。

「厳密な数字を各社出しているわけではないのではっきりしたことは言えないですが、いろいろなバラエティのある商品が出てくるのは、ある意味でコーヒーが売れていないからかもしれません。王道の商品で売れていたら、いろいろと出す必要はないですからね。加えて、最近ではクラフトコーヒーが登場するなど、コーヒー業界で新しい動きが続いています。そうした流れも、変わりダネ商品の販売を後押ししているのではないでしょうか」

 そして、こんな楽しみ方を提案する。

「コーヒーは嗜好品ですから、美味しいと思った人が飲めばいいし、そうでないならもう買わなくたっていいわけです。作る側も『新商品としてPRできれば、味はそこそこでもいいか』と考えているフシがあります。極論、不味くたっていい。みんなで、美味しいか不味いか議論しながら飲むのだっていいじゃないですか。ソーシャルディスタンスなら画面越しでもね。みんながみんな、美味しいと思う商品でなければいけない理由はありません」

 外食もままならないウイルス禍、近所のカフェチェーンやスーパーコンビニで見つけられる愉しみが、変わりダネコーヒーにはある。

週刊新潮WEB取材班

2020年8月19日掲載

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