韓国に登場したオリジナルコーラ「独立815」、国威発揚・愛国マーケティングの興亡
815という名だが、ターゲットは日本ではなかった
国民のナショナリズムを刺激することで、自社製品の売り上げにつなげていく愛国マーケティング。このマーケティング手法自体は日本を含めてどこの国でも見られる非常にオーソドックスなものである。そしてそれは1970年代まで外貨獲得に苦労し、また1990年代後半には通貨危機を経験した韓国においても多く目にすることができる。
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1998年に登場し、刺激的なネーミングで注目を集めた「コーラ独立815」(正式な商品名は815)、略して「815コーラ」は韓国における愛国マーケティングの非常に極端な事例である。清涼飲料水に「独立」とか「8月15日」の単語を付けてしまうのはやりすぎ、味や品質で勝負すべきではないかと感じる方も多いことだろう。実際、この商品は2度も市場から姿を消している。
しかし注目すべきは、この刺激的な商品名が最初のメーカーが消えた後も主人を2度も替えながら生き永らえていることだ。商品は失敗したが、ネーミングだけは大成功した稀有な事例とでも言おうか。
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