「猫ひろし」は東京で1日30キロ走る日々 カンボジア代表で東京五輪出場の夢を語る
カンボジアもダメージ
今、「自粛警察」という言葉が話題になっている。夜間営業している店舗に「店を閉めろ」と張り紙をしたりする行為だ。猫さんも自粛警察の“犯行現場”に出くわしたことがあるという。
「僕は千葉県の市原市出身で、市の観光大使も務めているんです。先日も仕事で千葉県を訪れたんですが、駐車場に都内のナンバーを付けた車があり、生卵がぶつけられていました。でもこの猛暑でしょ、半分くらい火が通っていて、目玉焼みたいになっていたんです(笑)。ショックは受けたんですが、『こんなに暑いのに、わざわざ卵をぶつけるなんて、自粛警察の人も大変だな』とも思いました。今、僕たち芸人は必要とされていないかもしれません。笑いのない世の中だから、ぎすぎすしてしまうのかもしれない。芸人が再び活動できるようになれば社会に潤いが蘇り、ひょっとすると自粛警察という動きも消えるんじゃないかなと考えることはありますね」
現在の“母国”であるカンボジアも、新型コロナで大変な状況だという。ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、8月14日現在、新型コロナ感染者数は273人で、死者はゼロ。人的被害より、経済的ダメージが深刻だという。
「選手やガイドさんとか日本語が喋れる人が友達に多いんです。心配で彼らと連絡を取ると、『こっちはコロナゼロだから』って笑っています(笑)。『それは検査態勢に問題があるんだろ』ってツッコミを入れるんですけど、実際、デング熱の流行のほうが大変だそうです。更に深刻なのは観光客が激減していることで、カンボジアは観光が国の主要産業ですから、経済的には相当なダメージです。知り合いのホテル経営者も『このままでは倒産する』って悲鳴を上げていました。友達が観光客の誰もいないアンコール・ワットの写真を送ってくれましたが、あれは衝撃的でしたね。それでも、無人の遺跡は本当に美しくて、見とれてしまいました」
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